クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向
連載
» 2020年10月19日 07時00分 公開

池田直渡「週刊モータージャーナル」:MX-30にだまされるな (1/6)

マツダの電動化の嚆矢(こうし)となるMX-30をどう見るか? このクルマのキャラクターをつかもうと思うのであれば、変化球モデルだと思わない、スポーツ系モデルだと思わない、ついでにフリースタイルドアのことも電動化のことも全部忘れる。そうやって全部の先入観を排除して、普通のCセグのSUVだと思って乗ってみてほしい。その素直で真面目な出来にびっくりするだろう。

[池田直渡,ITmedia]

 MX-30というクルマにどういう先入観を持っているだろうか? 「一風変わった変化球モデルね」。筆者はそう思っていた。例えばかつてのホンダCR-Xデルソル、あるいはトヨタ・セラ、日産ならNXクーペ。そういう保守本流車種のコンポーネンツを流用して作られる、ライフスタイル提案型のスペシャリティモデルを想像していた。

クリーンな面構成で衒(てら)いのないSUVに仕立てられたMX-30のスタイル

 Mazda3とCX-30という与党の2大派閥に対して、あくまでも第三勢力という立ち位置の商品に見える。というか普通に考えればそうとしか思えない。実際マツダ自身の月販計画も1000台で、ロードスターの倍程度という地味なものである。

 さらにいえば「MX」という名前の印象もある。誰もが思い浮かべるのはロードスターの欧州向け輸出名であるMX-5。もうちょっとマツダ好きな人ならMX-6。要するにスポーツ性を強調した2ドアモデルに与えられてきたシリーズ名なのだ。

 MX-30の記事でドアの話が出てくれば、当然書かざるを得ないのはマツダがフリースタイルドアと呼ぶ、観音開きのドアである。いかにも実験的。普通じゃなく見える。

 さらに戦略的な立ち位置で見ると、これはマツダの電動化モデルの一番槍(やり)でもある。今回デビューしたのはマツダがMハイリッドと呼ぶ、マイルドハイブリッドモデルだが、MX-30シリーズとしては、欧州ではすでに先行してバッテリーEV(BEV)モデルがデビューしており、国内でも年明けにBEV投入がアナウンスされている。2022年にはこれにロータリーエンジンのレンジエクステンダーモデルが追加されるという具合で、こっちでも観測気球的商品のニュアンスが濃厚なのだ。

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