年初から2回目の緊急事態宣言が発出され、コロナ禍収束のめどは不透明感を増しています。経済回復に必要なのは、この感染状況を1日も早く収束させていくことですが、政府が協力要請している「出勤者7割減」の実行には遠く及ばない状況です。
1回目の緊急事態宣言下で進んだテレワークも、以降はあまり進んでおらず、2020年11月に実施されたパーソル総合研究所の「第四回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」でも、実施者の割合が24.7%と、1回目の緊急事態宣言下での27.9%から増加には至っておらず、むしろ減っています。2回目となる今回の緊急事態宣言下では「うちにはテレワークは無理」と、積極的な実施を行っていない企業も多くあるようです。
また、東京商工リサーチが行った「第10回 新型コロナウイルスに関するアンケート調査」では、テレワークを実施している企業は30%程度にとどまり、「実施していたが取りやめた」という企業は4社に1社ほどあることが分かりました。
そもそもテレワークが馴染まない業種業態の企業も多いと思いますが、コロナ禍の当初多かった「社内のITインフラや業務整備ができていない」という課題は少しずつ解消されてきているように思います。一方で、「生産性が上がらない」「マネジメントできずパフォーマンスが落ちる」「テレワークできる人とできない人の不平等」など、組織マネジメントの課題が解決できないことで元に戻ってしまった企業もあるようです。
一歩踏み出してテレワークを実施している企業でも、組織マネジメントには悩みを抱えています。先日リクルートキャリアが発表した調査では、テレワーク実施前にないストレスを実感している人が59.6%おり、そのうち67.7%がそのストレスを解消できていないとのアンケート結果が出ていました。
この調査の中で、仕事中に雑談がある人とない人では、後者の方がストレス状況が深刻である状況も分かりました。テレワークでは、雑談をするのが難しいという声も多く聞きます。オフィスにいるときに感じられていた相手の顔色やその場の雰囲気などが、テレワーク環境では感じられずに会話を躊躇(ちゅうちょ)してしまうケースが多いようです。また、オフィスに出勤していたときのような執務フロア、休憩スペースなどの「集う場」がないため、偶発的に行われていた雑談の機会がなくなってしまったのも一因ではないかと思います。
仕事をする上でのストレスは、パフォーマンスに大きく影響します。それだけでなく社員同士のコミュニケーションにも影響をもたらすでしょう。雑談がストレスを軽減できるのであれば、テレワーク環境であえて「雑談の時間」を作ることも一つのマネジメント手法だと思います。例えば、次のような取り組みは、社員の状況に応じて、導入してもいいかもしれません。
筆者は、テレワーク環境下での雑談の時間を作る場合のポイントは、次の点だと考えています。
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