――SBIグループには、SBI証券、また新たにSBIネオトレード証券も加わった。ネオモバイル証券の位置付けは?
小川氏 グループでのミッションは、若年層、初心者層を囲い込む会社。SBI証券も長年にわたり若年層向けの取り組みをやってきて、初心者層の取り込みを目指してきたが、なかなかうまくいかなかった。画面にタブがたくさん並んでいて、初心者にしてみるとどこを見ればいいのか? となってしまう。これからメインの取引チャネルはスマホの時代になるので、スマホ証券を作ってしまおうという話になった。
最終的にはSBI証券の口座を開いてくれれば、いろいろな金融商品が買える。もうちょっと投資をやってみようという人が、SBI証券に行ってくれればいい。ネオモバイル証券のユーザーの中で、投資経験者のうち半分はSBI証券ですでに口座を持っている。自然に流れていくという仕組みにしたい。
――開業から1年9カ月の間に、手数料無料化が進み、ネオモバイル証券の「実質手数料無料」もインパクトが薄れてきた。
小川氏 SBIグループ全体として、米ロビンフッドを始めとして手数料は無料の時代が来ると考えている。将来的には差別化要因ではなくなる。そのため、差別化点はUIUXにある。
他社を見ると、ユーザーは手数料やスプレッドが大きい証券会社も使い続けている。使い勝手が合っているというところが大きい。「この証券会社、フィットするね」と思ってもらえることが非常に大事だ。
UIUXについては、直感で分かることを大事にした。何株買うかではなく、いくら買うかで注文できる。ショッピングサイトと同じ感覚で株を買えるということだ。頭の中で計算しなくていい。
普通の証券会社はUIUXに勝負感が出る。かっこいいチャートが出て、投資家になった感じが出る。そういう人たちはSBI証券に行ってくれていい。とことんシンプル化したUIUXが差別化だ。われわれは総合証券化をいっさい目指さない。根本は初心者しか考えていない証券会社だ。
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