今後もB2C(消費者向け)の新たなヒット商品を生み出しつつも、会社の軸足としてはB2B(事業者向け)のビジネスをより強化していきたいと望月社長は言う。
「わさび漬けは1889年に東海道本線・静岡駅の開業で火が付きました。旅行者などに買っていただき、全国に広まったという経緯があります。140年以上、B2Cマーケットを開拓してきましたが、わさび漬けがダウントレンドになった今、経営の方向性を変えていくのは必然です。B2B事業をもっと伸ばしていきたい」
B2Bにおいては、例えば、ローソンが地域限定で販売する「わさびツナマヨネーズおにぎり」で具材が採用されるなど、少しずつ取引は増えている。しかしながら、B2B市場はレッドオーシャンで、競合がひしめき合う。
「わさび関連の事業者はたくさんあります。例えば、レストランなどに卸す粉わさびのメーカーは多く、彼らは高い技術を持っています。B2Cでは、田丸屋本店というブランド力が通用しますが、B2Bだとそれはあまり関係ありません。どうやって既存のメーカーと、差別化して、付加価値をつけていくかが課題です」
その中で田丸屋本店の特色をどう生かすのか。
「長年の商売で培った、わさびの仕入れのネットワークがあり、農家とも緊密に連携が取れています。顧客のニーズに合った、質の高い素材をすぐにそろえられるのが強みです」
他方、B2Cとは異なり、商品開発のスピードも求められるようになる。
「今までは自社の開発ペースで良かったですが、B2Bだと顧客のスケジュールに沿って商品を開発しないといけません。これまで以上に新しいことにチャレンジしていかなければ、会社として成長はできないでしょう」と望月社長は気を引き締める。将来的には、B2CとB2Bの売り上げ比率を半々にしたい考えだ。
リニアを阻む静岡県が知られたくない「田代ダム」の不都合な真実
静岡県の住みここちランキング2021 3位「静岡市駿河区」、2位「浜松市浜北区」、1位は?
“昭和モデル”を壊して静岡を変えたい わさび漬け大手・田丸屋本店の意思
100年近くレシピの変わらない「崎陽軒のシウマイ」が今も売れ続ける理由
コロナ禍でも不文律破らず 「シウマイ弁当」崎陽軒が堅持するローカルブランド
創業以来初の「うなぎパイ」生産休止にもめげず、春華堂がコロナでつかんだ“良縁”
50億円を投じてでも、新施設で「うなぎパイ」の思いを春華堂が再現したかった理由
借金100億円をゼロにした崎陽軒・野並直文社長 横浜名物「シウマイ」を救った“2つの変革”とは?
神奈川県の住みここちランキング 3位「横浜市青葉区」、2位「横浜市西区」、1位は?
神奈川県の住みここちランキング 2位「葉山」、3位「横浜市青葉区」を抑えて1位となったのは?
午後7時閉店でも店長年収1000万円超え! 愛知県「地元密着スーパー」絶好調の秘密
お金なし、知名度なし、人気生物なし 三重苦の弱小水族館に大行列ができるワケ
JR東海の新型車両「N700S」7月1日運行開始 ミルクボーイや崎陽軒との「Supremeコラボレーション」でPR
JR東海の新型車両「N700S」 プロモーション第2弾を展開
ドラゴンボールの生みの親 『ジャンプ』伝説の編集長が語る「嫌いな仕事で結果を出す方法」
ガス会社勤務だった女性が「世界最大級のデジタルコンテンツ会社」を率いるまで
「最近の若い奴は」と言う管理職は仕事をしていない――『ジャンプ』伝説の編集長が考える組織論Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング