週刊誌の中づり広告撤退は、メディアとしての鉄道事業者にとって痛手だろう。しかし、タイムラグの問題を放置した報いでもある。印刷は物理的に時間がかかるし、中づりの掛け替えは手作業だ。「だから仕方ない」とあきらめてしまった。
しかし、積極的に導入しているデジタルサイネージを活用すれば、タイムラグは限りなくゼロにできる。週刊誌の発売日前日にデジタルデータで広告データを納品し、発売日に車内で上映するという仕組みは可能なはずだ。
例えば、山手線E235系に搭載されているデジタルサイネージは、WiMAX通信で更新できる。これは本来は広告用ではなく、運行情報を乗務員に提供し、合わせて車内の画面にも提供するシステムだ。E235系より前の電車は、駅の停車中または車庫でミリ波による通信で広告データを更新していた。
この仕組みはきちんと手を加えれば、翌日の広告を前日夜にセットできた。それが、E235系以降は走行中にリアルタイムで更新できる。ファストフードチェーン店などで「本日17時から新メニュー発売」などのタイムリーな広告を提供できる。しかし、残念ながら今のところは動画コンテンツにご執心の様子だ。
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