美容家電No.1ブランド「ヤーマン」、ブランドを支える開発力のワケ:家電メーカー進化論(2/7 ページ)
ヤーマンの創業は1978年に遡る。創業者である故山崎行輝氏(崎は「大」が「立」の異体字)が業務用の計測機器などを海外から調達し、メーカーや各種研究機関に販売するヤーマンリミテットとして創業したのが始まりだ。
「創業時は、半導体の検査装置やオシロスコープなどの計測機器を取り扱う会社でした。大きな話でいうと計測器の技術を発展させて瀬戸大橋のたわみを非接触で計測する機械を開発しました。
半導体検査装置を輸入販売したり、自社製造したりしながら進めて行くなかで、米国の取引先から業務用脱毛器の紹介を受けたのが、美容機器を取り扱うことになったきっかけです」(戸田氏)
80年代は大手エステティックサロンが次々と店舗を拡大していった時代。輸入した脱毛器は規模を拡大するサロンで採用された。美容機器の可能性を感じたヤーマンでは社内に美容関連の技術開発人員を配置し、組織化。輸入だけではなく、機器の自社開発を開始する。
当初、エステティックサロン向けの機器を開発、製造販売していたヤーマンだが、90年代後半には個人向けの美容家電を手掛け始める。初期の商品は「デピレーザー1」という脱毛器だ。
ヤーマンの主力商品である光美容器の最新モデル「レイボーテ ヴィーナス」
「当時はホームケアのできる脱毛器がなく、家電量販店でも美容家電はドライヤーくらいしか置かれていなかった時代なので、通信販売が主な販路でした。しかし驚くくらいの売り上げがありまして、一般のお客さまにも認められることが分かりましたね」(戸田氏)
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