近年のヒット商品といえるのが、ラジオ波を使ったRF美顔器だ。ラジオ波で肌を温めながらケアできる製品で、プラスとマイナスの電極で電気を発生させることから、肌のトラブルに対する高い配慮と安全性も求められる。ヤーマンは、この美顔器カテゴリーに置いて中国でもトップシェアを誇っているのだ。
「ラジオ波を使ったRF美顔器は、15年頃から中国で大ブームになりました。中国ではRFを使ったケアは美容クリニックやエステサロンでしか受けられないものでしたが、それを小型化しながら、安心、安全を含めて家庭用に落とし込んだところを評価されているようです。また、総合家電メーカーと異なり、美容機器専門メーカーである点も信頼度の高さにつながっています」(戸田氏)
日本では美容家電というと40、50代の購入が多いが、中国では美容に対する意識が高いため、20代から使う傾向があるという。こうした中国市場のニーズを捉え、多機能を求める日本向けモデルとは別に、中国向けモデルも用意。今ではグローバルでシリーズ累計300万台を突破している。
中国市場は近年、低価格の美容家電ブランドが数多く登場し、二分化が進んでいたそうだ。しかし、コロナ禍だからこそ「いい製品を選ぼう、自分のために本物を買おう」というムーブメントが生まれた結果、高級ブランドとして評価されているヤーマンの売り上げは伸び続けている。
「中国は口コミ文化なので、悪い噂が立つと一気に評価が下がってしまうため、慎重に進めています。信頼性の高いエビデンスに基づく効果をしっかりと打ち出し、高価格帯でのナンバーワンをキープしたいところですね。一番大事にしているのは、商品をスピーディーに出していくこと。中国のお客さまは常に新しいものを求めますので、お客さまのニーズに寄り添った商品開発をしていくことが肝心だと思っています」(戸田氏)
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