美容家電No.1ブランド「ヤーマン」、ブランドを支える開発力のワケ:家電メーカー進化論(4/7 ページ)
10年代に入ると、美容家電を取り巻く環境に変化が訪れる。11年のアナログ放送の停波に向けたデジタルテレビへの買い替え需要が一段落し、それまで家電量販店や大手メーカーにとっての主力商品だったテレビの販売が急停止するのだ。その代わりに、販売店が注力したのが、白物家電と美容家電だった。
「10年代に入ると、パナソニックさんの『Panasonic Beauty』が本格化するなど、大手メーカーが美容家電に積極的に取り組み始めました。さらに家電量販店でも、それまで5階や6階にひっそりと置かれていた美容家電が、1、2階に展示されることが増えていきました」(戸田氏)
美容家電が注目を集める流れの一役を、ヤーマンが担ったのは間違いない。その後も「抜かない、剃らない、痛くない」をキャッチフレーズにしたCMで大ヒットした脱毛器「NO! NO! HAIR」シリーズや、現在もヒットを続けているラジオ波を使ったRF美顔器などを生み出している。
抜いたり剃ったりせず、熱線でムダ毛を焼き切るサーミコン式を採用した「NO! NO! HAIR」シリーズの脱毛器
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