そして、昨年には レコルト初となる「部屋干し除湿機」もラインアップ。これまでキッチン家電に加え、リビング(ホーム)家電の本格展開もスタートした。
さらにキッチン家電は、従来品が女性向けの比較的ポップなカラー展開だったのに対し、近年は落ち着いたマット調やブラックなどのカラー展開を用意するなどラインアップの拡充も進む。新たに男性など、幅広い層からの支持を集め始めているようだ。
人気のホットプレートもリニューアル。カラーリングがマット調になったことに加えて、プレート内にヒーターを固定しているため、高効率で加熱できる仕組み
「レコルトをこの先どうしていくかを、上海から日本に帰る際の空港で、韓国出身のパートナーと話したことがあります。そこにはBMWなどメジャーブランドの広告がたくさん掲出されているわけです。2人で『いつかここに広告出したいね』と話したのを覚えています。日本だけでなく、海外でもしっかり知られているブランドになりたいですね」(岡野氏)
そのために今、大切なのが日本市場でしっかり足場を固めることだと、岡野氏は語る。レコルトがフロムジャパンであることは揺るがない。それは海外で売れるために欠かせない要素でもあるという。
そしてコロナ禍が落ち着き、海外に渡航できるようになったら、再び岡野氏自らがトップセールスに精を出す予定だという。もともとコロナ前には、現地からの引き合いもあり、20年にヨーロッパ進出を考えていた。
コロナによって止まっている海外展開を再び進め、日本発の家電ブランドとして、世界市場で存在感を示していくのが、これからのレコルトが目指していく道なのだ。
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