つい最近のこと。東京メトロ永田町駅構内で、白杖(はくじょう)を携えた人が歩いていた。そこは半蔵門線プラットホームの大手町寄り、有楽町線に乗り換える階段とエスカレーターの下で大混雑だった。
けれども、白杖の人の周囲は適度な空間が生まれた。私の周囲を見渡すと、その人が階段を上り始めるまで見守っていた。会話を止めて見守る2人連れもいた。白杖の人がつまづいたら助けなければ、と思う人も何人かいたことだろう。
その時、私はエスカレーターに乗ってしまったけれど、いま思えば、階段で追って、万が一のときに受け止めるとか、後ろから駆け上がる人をさえぎったほうがもっと良かった。きっと私のほかにそういう役割が自然にできた人もいたと思いたい。
2021年12月24日、国土交通省は鉄道局都市鉄道政策課名で「全国の鉄道駅バリアフリー化を加速します!」と発表した。都市部では鉄道運賃にバリアフリー化費用を加算できる制度を作る。地方部では鉄道駅のバリアフリー設備の整備について、費用の補助率を最大3分の1から2分1のに増やす。
都市部と地方部でバリアフリーを支援する方針だけど、事情も異なれば解決策も異なる。共通点は「体の不自由な人の鉄道利用推進」だ。本来ならば利用者を増やす営業促進策でもあるはずだけど、鉄道事業者は積極的ではない。しかし消極的でもない。書き方に気を使うけれども「気持ちはやりたくても、帳簿が許してくれない」だ。一般客に比べると、1人当たりのコストが高い。
国土交通省は、全国鉄道駅のバリアフリー化を加速すると発表。都市部では鉄道運賃にバリアフリー化費用を加算できる制度を作る。地方部では鉄道駅のバリアフリー設備の整備について、費用の補助率を最大3分の1から2分1のに増やす。「バリアフリー加算運賃」はすべての人に利点がある(写真提供:ゲッティイメージズ)
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