大手企業74社が参画 ステーブルコインDCJPYで円がデジタル化、何が変わる?金融ディスラプション(2/4 ページ)

» 2022年01月26日 07時00分 公開
[斎藤健二ITmedia]

通貨にプログラムを組み込む

 では、デジタル財以外の支払いにもステーブルコインは有用なのか? 実は、「既存の支払い手段であまり不便は感じていないだろう」と山岡氏は話す。ならば、日本円に連動したステーブルコインであるDCJPYの必要性はどこにあるのだろうか。

 実はDCJPYの最大のポイントはプログラム可能な点にある。その使われ方のイメージを山岡氏は次のように話した。

 「例えば、脱炭素、カーボンニュートラルの世界では、サプライチェーンまで含めて、カーボンニュートラルに作られた材料だけを使ってくださいとなる。そのために、支払決済の中に、『カーボンニュートラルに作られたものだけを選んで買う』という機能を組み込んでおき、証明にも使えるようにできる。そうしたニーズがこれから出てくる」

 決済に使う通貨自体にプログラムを組み込むことで、買い手に代わって何が購入できて何は購入できないのかを選択したり、購入後、それがカーボンニュートラルなのかを通貨が証明したりしてくれる。そんな世界が実現するというわけだ。

電力のP2P取引において、プログラム可能な通貨であるDCJPYを使うと、「一定の要件を満たした電力を購入し、自動的に決済する」ということが可能になる。また、購入側のカーボンニュートラルに向けた取り組みを証明することもできるようになる

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