「働かないおじさん」を生む、3つのズレと解決方法「働かないおじさん問題」のニュータイプ化(1/4 ページ)

» 2022年02月28日 07時00分 公開
[難波猛ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

新連載:「働かないおじさん問題」のニュータイプ化

 本連載は、『「働かないおじさん問題」のトリセツ』(アスコム)の著者、難波猛氏が、著書の内容を基に最新の情報を加えて加筆修正したものです。

第1回:これは立派な社会問題だ――「働かないおじさん問題」と正しく向き合うべき理由

第2回:実は真面目? 現代的な「働かないおじさん」5つのパターン

社員の「働かないおじさん」化を防ぐ、チェックポイント

 「何だか意欲が低い」「頑張っているけど方向性が違う」「今の時代とスキルが合っていない」など、ミドルシニアの不活性化に関して、企業の経営者や人事からさまざまな相談をいただきます。

画像はイメージ、提供:ゲッティイメージズ

 そうした際に、「問題点はどこにあるのか?」「どこに注目すれば解決できるのか?」を考えるフレームワークを紹介します。

 「WILL-MUST-CAN」です。

WILLとは

「やりたいこと」や「ありたい姿」など、本人の意思や欲求や価値観

MUSTとは

「やるべきこと」や「周囲からの期待」など、周囲からの期待役割やニーズ

CANとは

「できること」や「得意なこと」など、本人の能力、スキル、強み


 キャリア研修やカウンセリングでは、本人に上記3つをそれぞれ円として図示してもらい、その円の重なり方や大きさによって、仕事に対するやる気・期待・能力といった「自分の状態」を把握してもらいます。

 WILL-MUST-CANが大きくかつ重なっている人は、ハイパフォーマーとして活躍している場合が多いです。本人が仕事にやりがいを感じていて、その仕事が周囲から期待されており、実際それを遂行する能力もあるという、理想的な状態です。

 一方、ローパフォーマーはWILL-MUST-CANのいずれかが小さい、または離れているなど、ズレが生じた状態になっていることが多いです。

WILL-MUST-CANが大きくかつ重なっているのが理想。WILL-MUST-CANのいずれかが小さい、または離れているとローパフォーマーになりやすい

 ここからは「WILL-MUST-CANがなぜズレるのか?」「どうすればズレを改善できるのか」を解説します。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.