当時のワンセグは、防水防塵、おサイフケータイとともに、日本の携帯電話に欠かせない機能として必ず搭載されていたほどだ。人気のスポーツイベントなどをどこでも楽しめるだけでなく、災害時の情報取得に欠かせない機能としても認められていた。
例えば、10年前の2011-2012ドコモ冬春モデルは、24機種中14機種がスマートフォンで、海外メーカー製などを除く11のスマートフォンがワンセグに対応していた。従来型のフィーチャーフォン8機種もすべてワンセグ対応。5年前の2016−2017年冬春モデルも、スマートフォン8機種のうち5機種がワンセグに対応していた。フィーチャーフォンの新モデルは減って、らくらくホンを含め3機種のみだったが、いずれもワンセグに対応し、搭載されているのが当たり前だった。
そのワンセグが、いつしかスマートフォンに搭載されなくなった。直近の2021-2022ドコモ冬春モデルのスマートフォン全8機種のうち、ワンセグに対応しているのは「らくらくスマートフォン F-52B」1モデルのみだ。同じシニア向けでも「あんしんスマホ KY-51B」は対応していない。一般向けのスマートフォンは現在、国内メーカー、海外メーカー問わずワンセグ機能を搭載していない。
その背景には、10年以降、LTEの高速データ通信が提供されるようになったことがある。YouTubeなどネット上の動画を快適に視聴できるようになったことで、若者を中心にテレビ離れが進んだ。NHK放送文化研究所が21年5月に公開した「2020年 国民生活時間調査」では、国民全体でも1日にテレビを見る人は15年の85%から20年は79%と減少傾向だが、それは特に20代以下で顕著だ。16歳から19歳の約半分は、ほぼテレビを見ないという結果になっている。その代わり、この層はインターネットの利用が多い。
16歳から19歳のテレビの行為者率(1日のうち15分以上テレビを見る人の割合)が47%と半分を切っている
16歳から19歳の8割がインターネットを利用
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