ソニー・インタラクティブエンタテインメントの家庭用ゲーム機「PlayStation 5」(PS5)に並び、家庭用ゲーム機の大きなシェアを持つ任天堂の通年度決算も見てみよう。
任天堂の21年度の売上高は1兆6953億円で、過去最高だった20年度の1兆7589億円よりも3.6%の減少に転じた。本業のもうけを示す営業利益では、21年度は5927億円で7.5%減少している。売上高、営業利益いずれも前年度比でマイナスであり、「減収減益」の形となった。
一見すると、任天堂はソニー以上にゲーム事業が不振に陥っているようにも見える。だが、21年度の売上高1兆6953億円という数字は、ゲーム機「Wii」の販売などで最高となった08年度の1兆8386億円、20年度の1兆7589億円に次ぐ過去3番目だ。
営業利益も、20年度は19年度比81.8%増の6406億円という数字を出しており、過去最高だった。21年度の5927億円という営業利益は、歴代2位に匹敵する業績となっている。つまり、コロナ禍の巣ごもり需要の影響を受けた20年度が高い業績となり過ぎただけで、依然として高い業績をあげ続けているのだ。
ゲーム機の販売も好調に推移している。Nintendo Switchは17年3月に登場し、発売から5年を迎えた。21年度は20年度比20.0%減となったものの、2306万台を販売している。
単純比較はできないものの、22年3月期(21年4月〜22年3月)の出荷数が1150万台にとどまったPS5の倍以上の台数を、なおも出荷している形だ。
また、ハードウェアに対し、ソフトウェアの販売は伸びており、21年度のソフト販売本数は昨年度比1.8%増となる2億3507本だった。
21年10月には、有機ELディスプレイを搭載した「新型Switch」の販売を開始しており、2306万台中、約4分の1の580万台を占めている。
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