コロナ禍が長期化する中、オフィスを取り巻く環境も大きく変化している。その状況下でオフィス家具大手のイトーキが、『明日の「働く」を、デザインする」というミッションステートメントを掲げ、新しいオフィスづくりを提案している。
その目標を達成するため、社外から初めて次期社長としてイトーキに招聘されたのが3月に社長に就任した湊宏司氏だ。湊氏はIT大手の日本オラクルで最高執行責任者(COO)を務めていた。イトーキの新しいかじ取り役に、今後の方針を聞く。
湊宏司(みなと・こうじ)1994年に日本電信電話会社(現NTT)に入社、2008年にサン・マイクロシステムズに入社、10年に日本オラクルのカスタマーサポート総括(サン・マイクロシステムズと経営統合)、15年に同社執行役員、社長室長。19年に取締役、副社長、最高執行責任者(COO)、21年9月からイトーキの顧問、22年3月にイトーキ社長に就任。51歳。大阪府出身――イトーキに次期社長として招聘された背景は?
3〜4年前、まだオラクルにいた時のことなのですが、当時、日本企業の「働き方改革」についてリサーチしていた際に、「明日の『働く』を、デザインする」というミッションステートメントを掲げている企業に目がとまりました。それがイトーキでした。オフィス家具のイメージだった企業が、「明日の『働く』を、デザインする」と、大上段に構えていることに驚きを覚えたとともに、強く心に残っていました。
2021年にイトーキから社長就任の要請があり、なぜIT出身の私に声がかかったのかと思った一方、ミッションステートメントに強く心ひかれていましたし、「働く」に鍵括弧がついているところがオフィスだけを指しているのではなく、さまざまなワークプレースやワークスタイル、心身の健康といったテーマまで含んでいるところに可能性を感じたのが、一番の理由です。
――入社してみて社風などの違いを感じましたか。
イノベーションのDNAを持った会社だと感じました。ホッチキスや魔法瓶、万年筆、レジなどは今では当たり前に使われているものですが、これらを日本に持ち込み、広めたのがイトーキです。
1890年(明治23年)の創業当時から、海外の発明特許品を日本に普及させることで社会への貢献を果たそうと、先見性と開拓精神でイトーキを築き上げてきたわけですが、今もそのDNAは受け継がれていて、常に新しいことにチャレンジしようという精神があります。外資系IT出身の私を社長に採用をしたことも、その精神が生き続けていることの証明といえるでしょうね。
――いままで歩んで来た経歴と、全く異なる企業に入ることを決断した要因は?
一言で言うと「高揚感」です。NTTに14年、サンマイクロ・オラクルに13年、とハードウェアにはほとんど関わることがありませんでした。ですが、私自身はものづくりにとても興味がありましたし、未経験の製造業に飛び込むという大きなチャレンジに胸が高鳴りました。そういう意味では、声が掛かったのがIT企業だったら、オラクルは出なかったと思います。
もう一つは、IT出身でIT以外の分野に行って成功した事例はあまりなく、IT業界に恩返しするためにも、IT業界の外で頑張って成果を出すことで、ITのポジションを引き上げたいと思ったことも理由のひとつでした。
――イトーキの業績の現状と、22年度の業績見通しはどのように予想していますか。
2021年度は計画そのもので減収にしていましたが、売上高の予想は1140億円に対して着地点は1158億円となりました。オラクルと違うと思ったのは、大型案件になればなるほど、(受注金額を)たたかれて利益率が下がります。トップライン(売り上げ)を意識しすぎると、たたき売ることになります。結果的に、19、20年度は2年連続で純利益が赤字になりました。
そういった事情も鑑みて、21年度は売り上げよりも営業利益をKPI(重要業績評価指標)に入れて、トップラインのことは忘れろと伝えました。このように売り上げから営業利益を重視するようマインドセットを変えています。これにより営業利益が増えて足腰が強くなるので、22年度はトップラインも増やそうとしています。
22年度は中期経営計画の2年目ですが、見通しは明るいと思います。その理由は、大規模案件が順調に推移しているためです。子会社の業績も回復してポジティブな材料が多いので、増収増益を計画しています。
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