昨今、リモートワークをビジネスにつなげようとする国がどんどん増えている。中でも興味深い取り組みが、デジタルノマドのための滞在ビザだ。現在、世界で多くの国と地域が、デジタルノマドを呼び込むための長期滞在ビザを提供している。
海外旅行が再開される中で、多くの国が我先にとインバウンドを増やそうとしている。そして、どこにいてもネット環境が整っていれば、仕事ができるデジタルノマドに来てもらうことで、ホテルや民泊などに滞在し、地元で食事をし、観光地にも旅行してもらえる。
滞在中に国内で消費をしてもらってカネを落としてほしい――。そんな目的で、特別ビザを用意しているのだ。「リモートワーク・ツーリズム」と呼んでもいいかもしれない。
現在、世界では少なくとも20カ国ほどが、ノマドワーカーのためのビザを提供している。いくつか紹介したい。
まずはドイツ。日本人は30日以内であればドイツ訪問にビザは不要だが、それ以上は滞在できない。ノマドワーカーとして日本での収入があるという証明書を提出し、健康保険を持っていれば、6カ月から最大3年間のビザが発給される。申請から審査に数カ月かかるらしいが、許可が下りればドイツからリモートで仕事ができてしまう。
ポルトガルでは、12カ月のビザを用意している。ほかの国同様に、日本で月600ユーロほどの収入をリモートで得られるという証明や健康保険は必要になるが、ビザは更新も可能だ。ポルトガルの場合、大西洋の真珠とも呼ばれているマデイラ諸島やポルトサント島で、デジタルノマドのためのコミュニティーを作っており、積極的にリモートで働く人を呼び込もうとしている。
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