投信積立、楽天キャッシュなら0.5%還元が継続可能な、そのカラクリ金融ディスラプション(1/6 ページ)

» 2022年07月06日 07時00分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 楽天証券は9月積立分からクレカ積立の還元率を一部引き下げ、従来の1%から0.2%とする。その理由は「採算性が合わなくなった」点にある(記事参照)。

 では、8月積立分から開始する楽天キャッシュ決済による積立は、なぜ0.5%を還元できるのか。将来はこちらも採算が合わなくなったという理由で、還元率が減る可能性があるのだろうか。

 クレカ積立の事業モデルをもとに、ここについて考えてみよう。

楽天証券はクレカ積立の還元率を一部引き下げるのと併せて、新たに電子マネー楽天キャッシュを使った楽天キャッシュ決済をスタートする

クレカ積立の事業モデルーー収益は信託報酬の代行手数料

 まず投資信託事業における証券会社の収益源から確認しよう。以前は、投信にも販売手数料が存在したが、今はメジャーな投信のオンライン販売についてはゼロ(ノーロードと呼ばれる)。そのためメインの収益源は、信託報酬だ。

投資信託に関する各社の利益はどこから生まれるか

 投資信託保有者は、信託報酬という形で継続的にコストを支払う。信託報酬は、運用会社、信託銀行、販売会社が分け合うが、この販売会社の取り分が証券会社が得る収益となる。

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