次に東谷さんが紹介するのは、デンマークのオーディオブランドであるJabra(ジャブラ)のワイヤレスイヤホン「Elite」シリーズ。
最大の特徴は、通話性能だ。ここでいう通話とは、相手に届く自分の声のこと。コロナ禍でWeb会議が増えて、これまではあまり気にしてなかった通話のクオリティーをユーザーは求めるようになった。
「通話は当然、マイクのスペックに依存します。マイクの性能が悪いと、会議中によく相手から聞き返されることがあるはずです。他人に気を遣う、日本人ならではのマナーマインドが人気につながっています」
通話性能が高い理由は、声に対するノイズキャンセリングにある。
「声のノイズキャンセリングとは、例えば、町の雑音などを電気的に消し、人の声だけを抽出して相手に届ける技術です。もちろん他社もこの機能はありますが、クオリティーが段違いです。Jabraは独自で技術開発していて、その専門性が際立っています」
もともとは絞り込んだモデル展開だったが、コロナ禍以降、ラインアップを拡充するなど精力的に取り組んでいる。完全ワイヤレスイヤホンの黎明期から力を入れていたメーカーで、コールセンターの有線ヘッドセットなど業務用商品でも実績がある。どちらかといえばいぶし銀の存在だったが、コロナ禍で一気に一般消費者からも支持されるブランドとなった。
現在の売れ筋は「Elite 7 Pro」(税込2万7280円)という最上位モデル。従来型と比べて再生時間は8時間に伸び、声のノイズキャンセリング性能も向上した。その秘密は、イヤホンに実装されている高性能音声認識(VPU)センサー。同センサーには声を骨伝導経由で集音する技術が導入されているため、例えば、周囲の騒音がひどいなど、聞き取りづらい状況の時だけ骨伝導センサーのスイッチが自動的に入り、顔の骨の振動から音声を検出して伝えるのだ。
さらにJabraの中位モデル以上は、専用アプリでユーザー自身の聴覚をテストし、それに合わせて最適な音質に自動でカスタマイズすることも可能である。
これ1台で音楽も聴きたい、リモートワークも快適にしたいという欲張りなユーザーの願いを叶える一品だろう。
ちなみに、取材に同席した広報室室長の三友卓哉さんはこのイヤホンと、先ほどの骨伝導イヤホンを用途やシーンに応じて使い分けているそうだ。
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