日立がこうした制度変更を決めたのは、どのような理由からなのか。赤井氏は、「従業員個人にとって最適なワークスタイルを追求する一方で、会社としては生産性の維持・向上に努めていかなければいけない。この2つを満たす制度として考案した」と話す。
従業員の働き方に関する選択肢を増やすことが、育児や介護をはじめ、多様な事情を抱える人に寄与することは言うまでもない。現在、こうした働き方のニーズの受け皿として多くの企業が利用しているのが短時間勤務制度だが、フレックスタイム制がより柔軟に活用できれば、選択の幅が広がる。
会社としても、個人のニーズに合った形で、生産性を保ちながら勤務してもらえる。こうした考えから、これまで以上に柔軟に運用していくため、下限の撤廃を決めたという。
現状のフレックスタイム制は「子育て中の従業員が、PTAや学校行事のために活用しているケースが多い」(赤井氏)というが、今回の制度変更に関して、従業員側はどのような反応なのか。社内アンケートなどは未実施だというが、労働組合に提案したところ、概ねポジティブな反応だという。「従業員の管理が難しくなるのでは」「手続きはどうなるのか」などの懸念の声を受け止めて詳細を検討し、22年度内の制度改定を目指す。
非就業日を設けることも可能な制度だが、そうなると年次有給休暇の取得率低下につながらないのだろうか。
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