通常の賃金を利用した年次有給休暇を取得した日の賃金は、賃金形態ごとに次のように定められています。
賃金形態 | 賃金の算出方法 |
---|---|
月給制 | 月給額 ÷ その月の所定労働日数 |
日給制 | 日給額 |
時給制 | 時給額 × その日の所定労働時間 |
月給制と日給制は、厚生労働省からの通達で、年次有給休暇を取得した日の賃金に通常の賃金を採用することは事務の簡略を目的とするものなので、出勤した日と同じように計算すればよいとされています。これを踏まえて、年次有給休暇を取得した月の給与計算の方法を紹介します。
給与 = 月給
月給制の場合は、年次有給休暇を取得しても賃金が増えることも減ることもありません。月給額をそのまま支払うことで事足ります。非常に簡便に計算することが可能です。
給与 = 日給 × (労働日数+年休日数)
日給制の場合は、労働日数に年休日数を加算して日給額を乗じます。
給与 = 時給 × (実労時間+労働する予定だった時間)
時給制の場合は、実労時間に、休暇を取得した日に労働する予定だった時間を加算し、時給を乗じます。
年次有給休暇を取得した日に「労働する予定だった時間」について、1日の労働時間が雇用契約などで定められている場合は、その時間を基に計算します。シフト制の職場で、日々、労働する予定の時間が異なる場合は、休暇を取得しなかった場合に「労働する予定だった時間」を利用します。
結果的に、年次有給休暇を取得した日の賃金は、その日のシフトの「労働する予定だった時間」が長いほど賃金が高くなり、短いほど賃金が低くなります。そのため質問のケースのように、時給制の社員が「労働する予定の時間」が長いシフトの日を狙って年次有給休暇を取得することが起きます。
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