この求人のまずいところは、商品企画・データアナリストなどに該当しそうな、一見するとあまり近くない経験を列記している点だ。
「『AとBが足りてないから、どっちかあれば良い』と現場から要望があり、それを求人に並列で書いてしまうと、こういうことが起きます。AとBの仕事内容が近いわけではなく、単純に現場に足りていない人材を挙げたらAとBになったというパターンです。
商品企画とデータアナリストを並べてしまうと、そのどちらにも当てはまる人は少ないですよね」(石川氏)
確かに、求人をよく読めば「いずれかの経験があれば良い」と書いてはあるものの、求職者からすると「当てはまる項目が少ない自分は、適していないのでは」と考えてしまいかねない。こうした状況を避けるためには、どうすれば良いのか。
「1つにまとめてしまっていた求人を2つに分け、明確に打ち出すことです。商品企画とデータアナリストは全く違う職種なのでそれぞれ分け、採用の難易度に応じて、例えば商品企画は複数人、データアナリストは1人採る、ということもできます」
この例に関しても、HR forcasterを用いて調整し、2つのターゲットが浮かび上がった。
1つは、商品企画の経験がある人材だ。企画・管理マーケティング・商品企画・広告宣伝などの経験が3年以上あることを条件とした。年収帯を予算内に抑えられる見込みがあり、かつ条件を満たす候補者数も5000人と決して少なくはない。総合評価は星4。
2つ目は、データアナリストで、こちらも3年以上の経験がある人材に絞った。条件を満たす候補者数は約300人で競合する求人数は623件と、かなりの激戦と分かる。総合評価は星2だ。
DX人材を求人する際、他にも失敗の原因となってしまうことはあるのか。石川氏いわく、4つのパターンが存在するという。
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