このように急速に広まり、今後ますます成長が期待されるソーシャルコマースのメリットを考察したいと思います。
その名の通り、ソーシャルコマースでは、リアルタイムにソーシャルな体験ができる点が魅力です。例えば、離れた場所にいる友人やその他大勢のオーディエンスと一緒にライブ配信を見ながら共通の商品を買いその場でいいねをしたり、購入した商品に関するやりとりや感想をチャット上で配信者・オーディエンスが双方向に行えたりするのは、これまでのECにはなかった特徴です。
ソーシャルコマースでは、ただ物を買うのではなく「みんなで物を買い、盛り上がった体験」も手に入れることができるのです。また、配信側はリアルタイムでユーザーの行動データや購入データが手に入るので、オーディエンスの反応を見ながら話す内容を随時変えていくということも可能になり、より効果的に購買を促せるというメリットもあります。
前述の通り、Amazonなどの一般的なECプラットフォームを利用する場合、ユーザーは商品を購入したいと思うきっかけとなったページやアプリから一度移動する必要があり、この間に購買意欲が薄れる、または別の商品に目移りしてしまうということも少なくありません。一方で、ソーシャルコマースでは動画やライブ配信を見ながらすぐに商品を購入することが可能です。
特に、インスタグラムやTikTok上の動画はどれも面白く、これまでの動画広告よりも短い尺であるため、思わず最後まで見てしまう魅力があり、通常のECサイトよりも衝動的な購買活動を起こしやすい要因がそろっていると言えるでしょう。
現在のソーシャルコマースで主流となっているのは、すでに存在する商品をインフルエンサーがTikTokやインスタグラムなどのSNS上で紹介して販売するという流れです。しかし、ソーシャルコマースが今後さらに発展することで、インフルエンサー自身がクリエイターとなって自分の商品を売ることが当たり前となる時代が来る可能性は大いにあるでしょう。
以前執筆した記事でも紹介しましたが、実際、世界的に人気のYouTuberであるMrBeast氏も、ゴーストレストランでハンバーガー店を立ち上げ、今では約300店舗まで拡大しているようです。また、若者に人気のインフルエンサーが自分でコスメブランドを立ち上げてソーシャルコマース上で販売し、完売が続出するというようなニュースも多く目にします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング