マーケティング・シンカ論

「チョコモナカジャンボ」はなぜ“パリパリ”なのか 着目したのは気象データ「食べたい」タイミング(1/5 ページ)

» 2022年12月21日 08時00分 公開
[加納由希絵ITmedia]

 一般的に長期保存が可能な「アイス」商品。需要の変化に柔軟に対応するために、作り置きして製造や物流を効率化することが可能だ。そんなアイス業界で、“作りたて”に近い味わいを消費者に届けるという異例の取り組みを長年続けているのが、「チョコモナカジャンボ」を製造・販売する森永製菓だ。

森永製菓「チョコモナカジャンボ」。“鮮度”を維持した商品を届けるため、気象データを活用している(森永製菓提供、以下同)

 同社では約20年前から、チョコモナカジャンボのマーケティングにおいて「鮮度」を重視してきた。製造から工場出荷完了までの期間を5日以内にすることを目指している。それによって、モナカの皮のパリパリ感を保ったまま店頭に並べることを可能にした。そのマーケティングは消費者に受け入れられ、2001年度から20年連続で売り上げを伸長。アイス市場拡大をけん引するブランドに成長した。

前身の「チョコモナカ」誕生から50周年を記念して販売している冬季限定商品。アイスの間に挟むチョコを増量した

 しかし、製造から出荷までのリードタイムを短くすることは、過剰在庫や欠品のリスクを伴う。そのリスクを低減するために、17年から実施しているのが、日本気象協会との連携による気象データの活用だ。どのように活用しているのか、同社の担当者に聞いた。

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