マーケティング・シンカ論

「チョコモナカジャンボ」はなぜ“パリパリ”なのか 着目したのは気象データ「食べたい」タイミング(4/5 ページ)

» 2022年12月21日 08時00分 公開
[加納由希絵ITmedia]

「食べたい」タイミングでテレビCMを

 気象データによる需要予測をプロモーションに活用する取り組みにも着手している。20年に実施したのが、テレビCMへの気象データ活用だ。

 消費行動に大きな影響を与えるテレビCMを梅雨明けのタイミングで入れることができれば効果が見込める。しかし、テレビCMの枠を急きょ押さえることはできないため、事前に梅雨明けの時期を予想するしかない。実際の梅雨明けが予想より遅くなった場合、広告の費用対効果は薄まってしまう。

1996年のチョコモナカジャンボ。モナカの山の数を、それまでの12から18に増やした

 そういった課題の解決に向けた取り組みとして、電通と日本気象協会が連携して実施したプロジェクトの実証実験に参加。気象データを活用してマーケティングの高度化を目指す取り組みだ。

 この取り組みは、気象データによる需要予測に応じてテレビCMの出稿時期を調整し、広告効果を最大化することが狙い。アイスとは逆に梅雨明け前や気温が低いときに需要が拡大するなど、CMを打つべきタイミングが異なる商品もある。最新の需要予測に基づき、CM枠の入れ替えなどによって出稿を調整すれば、さまざまな商品の広告効果を高めることができる。

バニラモナカジャンボ

 「20年は梅雨明けが遅くなったため、この取り組みによってテレビCMの投入時期を調整しました。その結果、梅雨明けに近い時期に多くの広告を出すことができました」と、広告部長の猪瀬剛宏氏は振り返る。今後も、気象データを広告に活用する有効性などを踏まえ、施策を検討していくという。

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