働き方に対する現場の疑問を、社労士がQ&A形式で回答します。
Q: 当社に数年前に新卒入社した社員が、入社時のWebテストを「替え玉受検」していたことが判明しました。Webテストの不正についての報道をきっかけに調査したところ発覚したのですが、この場合当該社員をクビにすることは可能でしょうか? また、適切な対処方法について教えてください。
新型コロナウイルス感染症の流行を境に、企業による採用活動の在り方も大きく変わりました。コロナ前は各企業のオフィスにおいて対面による数次の面接を実施してから合否を決定するというパターンが大多数を占めていましたが、コロナ禍以降、外出自粛要請や感染症予防対策により、採用面接もWebを用いたリモートによる面接が相当数増えてきました。
感染症に対する反応が比較的落ち着きつつある現在においてもその傾向は続いており、以前はオフィスで実施していたような適正テストなど採用面接における初期段階の選考は、Webを利用して実施する企業が多く見受けられます。
Web適性試験の実施においては、多くの場合会社からID・パスワードなどを指定して応募者の都合の良い時間に応募者自身のパソコンやスマートフォンを利用して受検をするという仕組みを利用するため、確実な本人確認が難しいという性質があります。
22年11月には、大学生が受検する就職採用面接において、Webによる適性検査を社会人が代わりに受けていたというニュースが報道されました。昭和の時代には大学入試の際に本人以外の第三者が受検するというニュースもありましたが、時代は変わったものです。
今回のWeb替え玉受検についても、電磁的記録不正作出・同供用容疑で逮捕されていることから分かる通り、替え玉受検は刑事事件にもなり得る行為です。実際に替え玉受検をして入社している事案が見つかった場合には、本来企業が求めている入社条件を満たしていないことになります。また、場合によっては犯罪行為に該当するため、懲戒処分などを検討する必要があります。
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