東京オートサロンは、整備士学校の生徒による作品の展示会でもある。NATSの略称で知られる日本自動車大学校は、その代表的な存在だ。今回もトヨタ・アルファードの後ろをピックアップトラックに改造したクルマや、マツダ・ロードスターをサバンナRX-3仕様に仕立てた大胆なモデルなど、刺激的な作品が並べられていた。
当日、説明員を務めていた同校の関係者に話を聞いたところ「これらの作品は、生徒が入学時からアイデアを温めて、グループごとに予算(1台100万円)からベース車やパーツの購入費用を捻出して仕上げています」と語っていた。
学生たちはネットの情報を駆使して車体や部品をかき集め、製作に勤(いそ)しむ。車両は地元のディーラーから提供してもらうこともあるそうだが、驚くべきはド派手な改造車にしか見えない車両でも、展示後にしっかりと改造申請を行ない、ナンバーを取得して伊豆まで卒業ツーリングに行くのだ。強度計算や試験まで行なって、申請書類も作成することで、卒業後はその経験がスキルと自信につながるのだろう。
これも東京オートサロンに出展するんだという目標があるからこそ、課外授業となる車両制作も一生懸命になるのだ。こうした整備士学校の学生たちにとって、東京オートサロンは晴れの舞台であり、プロのメカニックへと巣立っていく儀式の一部なのだ。
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