各社では商品の値上げが相次いでいる。帝国データバンクが1月に発表した調査によると、2月には2022年以降で2番目に多い規模となる4000超の飲食料品が値上げとなったという。
そうした中、同社は値下げではなく、なぜ増量を決断したのか。同社は「値下げするよりも、価格据え置きで増量したほうがワクワク感があるのではないかと考えた」と話す。増量で見た目のインパクトが変わり、お得感をより実感できる上、価格据え置きのため、実質的な値下げも実現しているのだ。値上げラッシュとなる2月に狙いを定め、顧客満足度の向上も目指した。
ただ、原材料価格の上昇が続く中、増量キャンペーンは利益の減少につながる。同社はプライベートブランドの商品価格の値上げに踏み切っておらず、利益減少に拍車をかけることになる。
これについて同社は「正直、もうけは少ない」と苦笑いしつつ「コンビニは、特定の商品のみを購入するというケースは少なく、別商品と一緒に購入する『買い合わせ』が多い。話題性のある取り組みをすることで、新規来店者の掘り起こしにもつながると考え、増量キャンペーンを決断した」と説明。増量に伴うコスト増を本部が負担し、全体で売り上げ拡大を目指す考えだ。
キャンペーン開始後、利用者からは「コストパフォーマンスがいい」として好評だという。一部の商品は「想定を超える売れ行きで一部の店舗では品薄の状況になっている」(同社広報)と明らかにし、対策として、対象商品の入荷予定時刻を店頭の看板で告知するなどの対応を進めている。
今後に向けて同社は「値上げラッシュで、消費者の財布のひもが堅くなっており、魅力的な商品でなければ購入してくれないようになっている。暗い話題が続く世の中だからこそ、今後も明るい取り組みを提供していきたい」と意気込んだ。
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