NECが資産運用サービスに乗り出す。9月7日に発表されたこのニュースに対して、NECが資産運用? と思った人もいるだろう。NECは資産運用サービスを提供することで何を目指しているのか。また、資産運用業界は今どんな状況にあるのかを探っていこう。
NECは、資産コンサルティング事業を行うJapan Asset Management(JAM)の50.1%の株式を取得し、IFA(独立系フィナンシャルアドバイザー)サービスに乗り出す。まずはNECグループ社員向けの福利厚生として、資産運用アドバイスサービスを提供する。社員の資産運用の相談に乗るだけでなく、実際に株式などの売買の仲介も行う。その後、2024年度をめどに、他社に向けても福利厚生としての資産形成サービスの提供を計画している。
資産運用アドバイスサービスに参入する理由として、本事業を担当するNECの渡邊輝広ディレクター(コーポレート事業開発部門)は次のように話す。
「NECは中期経営計画で、デジタルファイナンスに注力している。チャレンジとして自分たちで金融事業を行うことで、金融機関へのDXコンサルティング力を高められるのではないか。“紺屋の白袴”にならないように、自分たちが提供するものは、自分たちがより理解しなくてはならない」
NECは金融DX事業に力をいれており、その一環として21年には資産運用管理ソフトウェアを手掛けるスイスのAvaloqを2360億円で買収している。この事業を強化するための施策の一つが、自らが資産運用サービスを手掛けることだったというわけだ。
サービスの提供にあたっては、NEC自らが仲介業のライセンスを取ることも検討したという。「自分たちでゼロからやるか、すでに相当なライセンスを持っているIFA事業者と手を組むかという選択だった」と渡邊氏は振り返る。
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