「サーバーのことは全部丸投げ」を掲げ、クラウドやサーバーの設計・構築・運用保守などを手掛けるビヨンド(大阪市)。2007年に創業して以来堅調に成長を続け、取引先には大手企業も名を連ねる。日本初のアバター形式で行う「バーチャル面接」など、ユニークな採用手法でも注目されている企業だ。
同社が年に一度、全社的に行っているのが「断捨離月間」だ。毎年12月を断捨離月間と定め、不要な備品の廃棄、オフィス内の節電、消耗品の削減など無駄をなくす活動に取り組んでいる。
この取り組みによって22年では「年間1612時間の削減」「年間90万円のコスト削減」に成功しているという。どのような取り組みか詳細を聞くと、どの会社にもあてはまるような「ムダ」の特徴と、発生要因が浮かび上がってきた。
ビヨンドの断捨離月間は、23年末の実施で3回目を迎えた。きっかけは会社で使っていないまま放置されていたクラウドサーバーのコストロスだった。不要になったサーバーの見直しをするついでに、どうせなら社内のムダを徹底的に洗い出してみようという運びになり、断捨離月間がスタートしたという。
断捨離月間の間は社内の各部署で「アイデアシート」と呼ばれるスプレッドシートを用意し、その月間で社員が気づいたムダを記入していく。
シートに書かれる内容は「この定例会議は毎週ではなく隔週開催でも良いのでは」といった時間的なムダを指摘するものもあれば、「サブスクで契約しているあるサービスは、もう必要ないのでは」といった金銭的なムダを指摘するものもある。
また「共有ファイルサーバーの階層がぐちゃぐちゃになっている」「自分が入っている、とあるSlackチャンネルはもう抜けてもよいのではないか」「デスクトップが散らかってきた」といった業務上の非効率さを生んでいるようなムダも次々と社員から発見されていく。こうして挙がったムダ解消のアイデアから、実際にムダをなくせるかどうか、なくすべきかどうかの判断を経て実行するという流れだ。
時にはムダかどうか判断に迷う内容や「まだ必要だ」という意見が上がるケースもある。最終的な判断は社長が行い、判断軸はある程度決めているという。
「『今は使わないけれども、先々使いそうだ』と思ったものはなくす判断をしています。大抵のケースはなくても支障がないことに気付きました。一方、ムダを省くよりも『省くためにかかる工数』の方が大きいものについては残す判断もあり得ます」
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