さらに、ドライバーの側に立った「使う楽しみ」の環境を提供することも忘れていない。それは走る場所を提供したり、走るステージを引き上げたりすることでも展開している。
走る場所というのは、マツダ・ロードスターのワンメイクレースとなるパーティレースはよく知られるところだが、それ以外にもJAFライセンス不要で仲間と楽しめる「マツダ・ファン・エンデュランス」(通称:マツ耐)といった、マツダ車であればさまざまな車種で楽しめるレースをサポートしている。3時間の耐久レースは、1人でやり抜けるものではないから、チームでゴールを迎えた時の達成感もひとしおだ。
その他にも、最近はレーシングゲームも広く普及していることから、プレイステーション用ドライビングシミュレータ「グランツーリスモ」とコラボして、バーチャル上でロードスターのワンメイクレースでのシリーズ戦を開催。シリーズランキング上位者を選抜してマツ耐に参加してもらう「バーチャルからリアルへの道」というプロジェクトを継続中だ。
実車のパーティレースの年間王座を獲得したドライバーをスーパー耐久選手権のドライバーとして抜てきするなど、ご褒美とステップアップへの道を用意している。運転を極めたいと思っているドライバーにとって、憧れの環境を用意しているのだ。
重要なのは、長期的な計画で物事を進めていることだろう。短期間の実施では、参加者数や全体のレベルなどが上下にブレることもあり、成果はつかみにくい。
日産もかつてはグランツーリスモとコラボして、レーシングドライバーを育てるプロジェクトを実施していたが、今はエントリーレベルの活動は途絶えてしまっているのが惜しい印象だ。こうした活動は続けることに意義があるから、自動車メーカー各社は何らかの方法でドライバーを生み出す活動を続けていく必要があるはずだ。
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