昨今、新卒採用の選考にAIを導入し、効率化を図る企業が増えつつある。実際の就活生たちはAIを活用した採用活動について、どのような印象を抱いているのか。マイナビ(東京都千代田区)が調査を実施した。
エントリーシートの選考に企業がAIを導入することに対して「AIの評価基準が不透明で、全てを正確に評価できるわけではないと感じる」と回答した人は50.1%と半数に上った。また、面接にAIを導入することに対しては、48.3%が「AIがどのように回答内容を評価しているのかについて、疑問を持つ」と回答。AI導入に対して、不安に感じている様子が明らかになった。
エントリーシート選考へのAI導入については「AIと人間の評価を総合的に合わせることで、公平な選考になると思う」という前向きな意見もある一方、「AIを信用しすぎることはしてほしくない。人が全然内容を見ないとなってしまうと学生側も納得できないことになる」「不正確に要約されたりする可能性があるため、推奨してほしくはない」といったコメントが寄せられた。
面接へのAIを導入については「場所や時間を選ばずに面接を受けられるため、学生、採用担当者どちらにもメリットがあると思う」といった、使い方次第では学生側と企業側の双方に恩恵があるという意見も見られた。一方で「評価基準が不透明」「確実にその人の意欲や感情を捉えきれているのか定かではないため、導入に違和感がある」など、AIの評価基準に対する懸念の声が多く集まった。
就活生は「タイパ」(タイムパフォーマンス)を意識したインターンシップ・就活準備・就職活動について、どのように考えているのか。最も多い回答は「メリットとデメリットが半々だと思う」となり50.7%に上った。「メリットが多いと思う」とした人は44.1%で、前年から6.1ポイント増加する結果となった。
回答した人からは「タイパを意識するあまり、情報収集など準備がおろそかになる可能性がある」というデメリットを危惧する意見が寄せられた。また「研究活動や授業と就職活動を両立する必要があり、効率よく進める必要がある」「効率よく動ければ、他の企業との比較やその他のことを見ることができる」などなど、効率を重要視する声も見られた。
調査は1月20〜31日にインターネットで実施。マイナビ2026の会員で、2026年3月卒業見込みの全国大学3年生、大学院1年生から回答を得た。有効回答数は1440人(文系男子227人、文系女子561人、理系男子325人、理系女子327人)。
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