ブラックロックは2026年のグローバル投資の見通しで、「ミクロがマクロを動かす(Micro is Macro)」というキーワードを掲げた。AIインフラ投資や脱炭素といったメガトレンドに注目する一方で、インフレと賃上げの恩恵を受けている企業を見極めて投資することを推奨している。
こうした姿勢は、ブラックロックが昨今のAIブームへの問いを投げかけているようにも見える。
生成AIは文章を書き、コードを生成し、画像を描く。しかし、AIは人間の代わりにコーヒーを飲むことはできない。物理世界に根差した人間の消費活動を、AIが根本から置き換えることは不可能なのだ。
これは伝統的な衣食住に関する産業が、優位性を持っていることを意味する。AI革命がどれほど進んでも、人は服を着て、食事をし、家に住む。この当たり前の事実は、投資の世界では強力な防衛線になる。
テック系企業に目を向けてみると、今年2月に発生した「Anthropic Shock(アンソロピックショック)」が記憶に新しい。米AI企業のAnthropicが高度なAIエージェントを発表したことで、法務や会計などの専門業務がAIに置き換わる懸念が広がり、SaaS企業などの株価が急落したのだ。このように、昨日まで有望とされたテック企業が、翌日には新興勢力に飲み込まれる危険性が出てきている。
一方で、コーヒーを飲む人は減らない。むしろ、AIが大半の仕事をこなすことによって余暇が生まれれば、むしろコーヒーを飲む人は増える可能性すらあるといえないだろうか。
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