米ブラックロック、コメダHDを「買い」と見たワケ AI全盛に逆行する真意とは古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(3/4 ページ)

» 2026年04月15日 08時00分 公開
[古田拓也ITmedia]

評価されたのは「コーヒー屋」としてのコメダHDではない

 この投資ストーリーの背景にあるのが、コメダHDのビジネスモデルの構造だ。

 コメダHDの売上収益の約7割は、フランチャイズ(FC)加盟店への食材販売から生じている。一般的なFC業態の主要収入源は売上連動型のロイヤルティー(FC加盟店が本部に支払う対価)だが、コメダHDはこの部分が小さい。コメダHDがFC加盟店に課すロイヤルティーは1席あたり月額1500円の「定額制」だ。

 FC加盟店の売り上げが伸びてもコメダHDの取り分は変わらない代わりに、食材の仕入れ量は増える。コメダHDは自社工場でコーヒー豆を焙煎し、パンを焼くことで、ブランドの味や品質を保ちながら、全国1000店舗超のFC加盟店に卸すことで収益を上げているのである。店が繁盛するほど「卸」としての売り上げが自然に膨らむ構図だ。

 こうしたFC加盟店の利益を搾取しないモデルが閉店率の低さにつながり、店舗の99%がFCという構造を実現している。

評価されたのはFC戦略(出典:コメダHDの決算説明資料)

 表の顔は喫茶店チェーンだが、収益構造の実態は「FC加盟店にとってのサプライチェーンプラットフォーム」という点が画期的なのだ。

 今回ブラックロックがコメダHD株を大量保有したのは、この点を評価した結果である可能性が高い。

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