2020年5月、先代から事業を引き継ぐ準備を始めたが、順風満帆とは程遠かった。「採算が合うのかという不安の方が大きかった」と話すように、経営の基礎となる情報がほとんど残されていなかったのだ。売り上げ、原価、来店数などの数字も把握できず、事業計画の策定も難しかった。
「当時の価格は、アイスもなかが100円、ソフトクリームが300円でした。どうやって利益を出すのか、正直見えなかったですね」と別井さんは振り返る。
先代は売り上げなどの話があまり好きではなかった。「やっていれば大丈夫」と繰り返すばかりで、詳細なデータは示されなかったという。来店客数すら不明なまま、翌年の開業の準備を進めていた。
「今考えると、先代に試されていたのかもしれないと思います。来店客数もコストも利益も何も分からない、採算が合うのかも見えない状態でしたが、それでも店を継ぐのか? というのを見ていたような気がします」
モア松屋が抱える問題は他にもあった。看板メニューであるアイスもなかのレシピが存在しないことに加え、製造機械も老朽化していたため、機械が壊れたらアイスが作れない状態だったのだ。
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