ただ、好調な時期は長くは続かなかった。2013年ごろには、年商がピーク時の3分の1程度に当たる4億円台にまで落ち込んだ。上間社長は、低迷の主な要因を以下の3点に集約する。
悪循環に陥り、社内の挑戦マインドが薄れて効果的な施策を打てずにいた。苦境を打破しようと、2013年に始めたのが、当時社長だった上間政博会長が構想していた本社での工場見学と直営店展開だ。運営は上間社長が担い、自身でガイド役を務めながら来場者と対話した。以前、売り上げを伸ばせずに失敗経験のあったイベント出店にも再挑戦すると、ある事実が見えてきた。
「昔から好きだったんです」「また食べたくなりました」。県内外から訪れる来場者たちが、目を輝かせ、笑みを浮かべながら口々に言った。接客対応する中で、上間社長は確信した。
「スッパイマンのブランドはまだ死んでいない」
市場が求める商品、そしてブランド力を高める売り方とは何か。本格的な改革に着手した。
次の打ち手を模索するなかで、上間社長が重視した点は2つある。
1つ目は「意外性」。多くのメディアを引き付けた高校生とのコラボのような、起爆剤となる企画が必要だと考えた。もう1つは「物流コストの軽減」である。離島である沖縄は県外輸送コストが高いため、費用を抑えながら販路を広げる糸口を探った。
導き出した答えが、他社メーカーとのコラボ商品開発だった。乾燥梅菓子としてのスッパイマンだけでなく、品種や品目を超えて横展開していく。さらに県外で生産してもらえれば、物流コストも抑えられる。ふりかけ、エナジードリンク、いか天など、梅味を生かした商品を次々に投入した。
すると、「第2のバズり」を起こす商品が誕生する。愛知県の豆菓子メーカーが製造を担う「スッパイマン 柿ピー一番」だ。2017年、テレビ番組の柿の種特集で取り上げられ、タレントのマツコ・デラックスさんが「おいしい。これ止まらない」と絶賛。注文が殺到し、放送翌日にはサーバーがダウンした。
偶発的だった2000年の反響とは、そこに至るまでの過程に明確な違いがあった。「意外性を狙い、商品を横展開したからこそ起きた現象で、戦略通りでした。他の市場でスッパイマンの認知を広げたことで、そこから乾燥梅の商品を知ってくれた人もいました。自分たちが向かうべき道筋が決まるような出来事でした」と、上間社長は振り返る。
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