蔦屋書店などで知られるカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が展開する「SHARE LOUNGE」もその一例だ。料金を払えば、コーヒーやアルコールを楽しみながら本を試し読みできる。ワークスペースもあり、筆者もたまに利用するのだが、スナック類も充実しており、ついつい長居してしまう。
また、東京・虎ノ門ヒルズにある「magmalounge CALM」も、料金を払って読書を楽しめる施設だが、YAMAHAなどの専門チームが開発した『サウンドビオトープ』という、水滴が落ちるような心地よい“揺らぎ音”を流すことで、リラックスしたムードの中で、読書に没頭できる。ほかにも、温泉施設や宿泊施設にブックラウンジを併設するケースが増えている。
このような話をすると「そうしたおしゃれなブックラウンジは、地方の小さな街の本屋さんじゃ無理だろ」という声が聞こえてきそうだが、書店の生き残りの道はこれだけではない。10軒の本屋があれば、10通りの生き残り方がある。
分かりやすいのは、広島県庄原市にある「ウィー東城店」。メディアでも取り上げられているため、ご存じの方も多いだろうが、ここは一見すると、どこにでもある郊外型書店だが、実は人口7000人以下の過疎地域で、住民の不便や困りごとを解決する「コミュニティラウンジ」として機能している。
1998年に創業した総合書店で、書籍のほか、CD、文具、化粧品などを取り扱っているが、ほかにも、海苔、かつお節、唐辛子、お酢といった食料品や地酒、ミニカー、さらには敷地内には美容室やエステコーナーまである。これらはすべて書店利用者、つまりは「読者」からの「こんなのあったらいいな」で取りそろえたものだ。しかも、この書店では作家の出版イベントだけではなく、郷土料理を提供するイベントなども定期的に行っている。
全国の過疎地域にある本屋が「ウィー東城店」をまねしても、うまくいくとは限らない。住民の抱える課題やニーズというのは地域によって違うからだ。
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