葬儀は基本的に午前中から昼間に行われるため、火葬が昼間の時間帯に集中してしまい、希望するタイミングで火葬できないという問題が生じている。
NHKの報道によれば、首都圏では数日から10日程度の「火葬待ち」が発生しているという。東京博善の発表では、同社が運営する23区内の火葬場において、火葬待ちは3〜4日とのことだ。「夕方からのお葬式」が当たり前になれば、昼間に集中する火葬も大幅に分散される。
また、減少している「会食の機会」が再び増えることも期待される。
かつて日本のお葬式には、納棺の儀、お通夜、告別式、精進落とし、初七日法要とさまざまな儀式があった。葬儀の規模も大きく、経営者の葬儀に社員や取引先が弔問に訪れる「社葬」も珍しくなかった。参列者が会食をしながら故人をしのぶ場も多かった。
しかし、現在は葬儀の簡素化が進み、全てを1日で終えてしまう「1日葬」や、近親者のみで弔う「家族葬」がスタンダードになっている。当然、葬儀社の売り上げも減少傾向にある。これは、小規模事業者が多いこの業界では深刻な問題だ。
もし「夕方からのお葬式」が普及すれば、仕事や学校を終えて駆けつける参列者が増えるので、葬儀社側としては「夕食を提供する機会」が増えていくということだ。
「会食の機会が増えるということは、故人をしのび、人と人とのつながりを確かめ合う時間が増えることにもつながります。最近ではそうした機会も少なくなりましたが、故人と親しかった方々があいさつを交わし合ったり、喪主さまやご家族と食事を囲みながら在りし日の思い出話に花を咲かせたりする場の大切さについても、あらためて見直していただきたいですね」(帝都典礼・市村取締役)
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