また、直葬をした後に、弔問客や親戚が次々と訪れ何日にもわたって対応に追われ、「こんなことなら、きちんと葬儀をすればよかった」と悔やむケースや埋葬を巡るトラブルに発展するケースもある。
「檀家としてお墓を持つ菩提寺に埋葬する場合、通常は寺院の僧侶がお経をあげ、戒名を授けます。しかし、直葬ではそうした手続きを経ないケースが多いため、納骨の際に寺院との間で問題が生じることがあります。中には、菩提寺への相談がないまま、葬儀社が同宗派の僧侶を手配して戒名を授かるケースもあります。寺院との関係を考えると、同業者として疑問を感じる事例もありました」(帝都典礼・市村取締役)
このような「直葬トラブル」が増えているのは、「葬儀とは誰のものなのか」「なぜ亡くなった人を弔うのか」という本質的な意味が十分に理解されないまま、「安さ」「手軽さ」というコスパだけが注目を集めてしまい、葬儀を選ぶ人が増えていることが一因だ。
そして、実はこの「葬儀の表面的な部分にしか注目が集まらない」という傾向が、近年多発する「葬儀サービスの料金トラブル」にも拍車をかけている。
葬儀社側からすれば、あくまで自社が請け負うのは葬儀まわりの仕事に対する報酬だけで、火葬場や葬祭ホール、僧侶に払うお布施は別という認識だが、利用者側はそもそも「お葬式」に対する知識もないので、葬儀社に払ったお金で全てが賄えると思い込んでいる。そういう基本的な認識のギャップが、「ぼったくられたのではないか」という不信感につながり、トラブルに発展することも少なくない。
このような事態を避けるためにはどうすべきか。帝都典礼の市村取締役は「相見積もり(複数社から見積もりを取ること)」で比較することを勧める。
「ただ、そこでWebサイトや広告に掲載されている価格だけで判断してはいけません。掲載されている金額は各社で含まれている内容が異なる場合がありますので、合計金額だけでは比較しにくいこともあります。大変な状況の中ではありますが、しっかりとした見積書を出してもらって項目を比べてください」(帝都典礼・市村取締役)
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