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360度までOK、パノラマ撮り比べ

» 2010年08月05日 19時04分 公開
[ITmedia]
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 最近、パノラマ撮影機能機能を搭載したデジカメが増えている。パノラマ写真そのものはフィルムカメラの時代から存在するもので目新しくはないが、「高速連写」と「カメラ内画像合成」、この2つが一般化してきた最近では、とみにパノラマ撮影機能を搭載する製品が増えた。

 これらはカメラを動かしながら高速連写を行い、撮影された画像をカメラ内で合成することでパノラマサイズの写真とする。今年春に発表されたソニーのサイバーショット「DSC-HX5V」以降、本機能の搭載製品が増え始め、富士フイルムからは360度パノラマの撮影が可能なモデルまで登場した。

 パノラマ撮影機能を備えたソニー「DSC-WX5」と「NEX-5」、富士フイルム「FinePix F300EXR」の使い勝手を試した。


 パノラマ撮影の手順は3機種ともほぼ同様。パノラマ撮影のモードを選択し、カメラを指定の方向に振るだけだ。今回取りあげた3機種はいずれもパノラマ撮影時にカメラを振る方向を右から左、左から右、上から下、下から上と切り替え可能となっており、縦長の写真を撮ることもできる。

photo DSC-WX5でのパノラマ写真

 撮影される画像のサイズは、DSC-WX5が4912×1080ピクセル(スタンダード)もしくは7152×1080ピクセル(ワイド)、NEX-5が8192×1856ピクセル(スタンダード)もしくは1万2416×1856ピクセル(ワイド)。FinePix F300EXRは撮影可能な角度を120度/240度/360度の3つから選択可能で、ピクセル数はそれぞれ2560×720、5120×720、7680×720ピクセルとなる。

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photo FinePix F300EXRは角度を120度/240度/360度と選択と切り替えられる

 先ほど「撮影は振るだけ」と書いたが、何も考えず振り回してもうまく撮影はできない。3機種ともに撮影時には矢印などでガイダンスが表示されるので、それに従って、なるべく水平を保ちながら、手を振るというより、腰をひねる、あるいは体ごと回転する感じでカメラを動かしてやるといい。

 ただ、どれくらいのスピードでカメラを動かせばいいかは、慣れが必要になる。マニュアルや製品サイトにはそれぞれ何秒ぐらいかけてカメラを振ればいいのか、記載されているので参考にしながら会得して欲しい。

 FinePix F300EXRの360度パノラマはこれまでに見たことのない写真が撮れるのだが、ゆっくり(富士フイルムのサイトには1周10秒が適当とされている)とカメラを360度振るというのは結構大変。前述したが、360度パノラマを撮るときには腕を振る、腰をひねるのではなく、体ごと回転しよう。

photo FinePix F300EXRで撮影した360度パノラマ

 パノラマ写真はその性質上、「いかにまっすぐ振れるか」がキモになる。あえて斜めにするという手法もなくはないが、一般的には横位置ならば水平が撮れている方が見栄えがいい。その観点でいうと使いやすいのがFinePix F300EXR。パノラマ撮影時には液晶画面にガイドラインが現れるので、そのラインにあわせて撮影するとうまくいく。

 また、撮影の手法上、高速で動いているものがフレーム内にあると写真が破たんしやすいのだが、その点ではどの機種も優秀だった。さすがに自動車など高速で移動するものはうまく写せないことがあったが、徒歩やゆっくり走る自転車程度ならば上手に合成してくれる。これなら気軽に使えそうだ。

photo DSC-WX5の例。自転車で走る人がいたものの、上手につないでいる
photo こちらはNEX-5での失敗例。手前に高速で走る自動車がいたために画像合成に失敗している

 DSC-WX5とFinePix F300EXRはパノラマ撮影中のズーム操作は行えないが、NEX-5は自由に操作できる。下の3枚は55ミリ、35ミリ、18ミリ(レンズ表記)と切り替えながら下→上でのパノラマ撮影を行ったものだが、ワイド端では手前の街頭が大きくゆがんでいるのがわかる。こうなるとパノラマというより魚眼効果というに近いが、なかなか面白い。使い方や被写体を工夫すれば、まだまだ、面白い写真を撮れそうだ。

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