それにしても冬は寒いですな。
日本の冬といえば雪、というわけで1月には全国的に雪が降ったようだが、なぜか都内はスルーされたので、いざ雪のある風景を撮ろうと北へ向かったのである。
目的地は会津若松。雪が確実にあって、電車で日帰りできて、フォトジェニックな被写体がある場所という条件で選んでみた。東京から向かう場合、急ぐなら新幹線+在来線で、安く済ませたいなら高速バスである。
東北新幹線で郡山に到着すると、いきなり雪。でもこのあたりは内陸の会津に比べて積雪も少なく、天候もよい。会津若松へ向かう電車には雪がこびりついており、職員さんも整備に余念がない。おつかれさまです。
雪があまり降らない地域に住んでると、どんな光景でも新鮮なもの。こういう「らしさ」も写真におさめておきたい。
雪景色撮影の第一歩は車窓から。
車内から撮るときのコツはレンズを窓にくっつけること。レンズと窓の隙間ができないように、である。
隙間があるとこうなる。
窓に対して斜めに構えると、窓に反射した室内の様子が映り込んじゃうのだ。上の例だと天井の照明が映り込んでる。車窓越しの撮影の場合、基本的に「外より明るいモノ」が映り込むので注意。
ただ、窓ガラスにレンズをぴったりつけると真横の風景しか撮れないのでそこはタイミングよく。
ああ雪国に向かっているのだ、って雰囲気になってきた。やがて、写りが妙にファンタジックになっていく。なんてことはない。外気温と車内の温度差が大きくて窓ガラスが曇ってるのだ。この「温度差」はなかなか厄介である(詳しくは後述)。
駅でドアが開いたときはチャンス。ローカル駅だとホームから撮っても一面の雪景色だから。ただ、写真を撮りたいがためにドアを開くと他の乗客の迷惑になるので注意すること。
一番気になるのは「雪」だ。
デジカメは水に弱くて、雪は水なので、雪が降ってたらいろいろ気をつかわないと、って思いがち。それは正しいが、雨の時ほど気を使わなくてもいいのだ。多少の雪ならかかっても平気。中級機以上の一眼レフはたいてい「防じん・防滴」処理済みなので雪没(っていうのかな)くらいなら平気だし、そうじゃないカメラでも意外にOKなものである。
試しにカメラを雪の中に落としてみた。
すぐ取り出してタオルで雪を払って、細かいところの雪を落としたらちゃんと動いた。雪が溶けて水がカメラの細部に入り込んじゃう前なら、大丈夫だったりするものだ。まぁ、慣れない雪道を歩いてて滑って転んでカメラが雪の中に……ってときもパニックにならなくてもいいよ、という程度の話だと思ってください。
ちょっとひやひやしたけど。
むしろ気をつけるべきは温度差。雪の屋外……つまり寒いところでむき出しで持っていたカメラを突然暖かいところに持ち込むと、レンズは曇るし結露しちゃって危ない。
寒い日にコンビニにかけこむとメガネが曇っちゃうようなもので、それはカメラも同じ。例えば移動のためバスに乗ったら、レンズが曇っちゃってこんなことに。
レンズが曇ったくらいならすぐ元に戻るけど、内部で結露しちゃうと結構厄介なので気をつけること。カメラが十分に冷えてるときは、室内や車内に入る前にバッグにしまい、すぐには取り出さない。少しずつカメラの温度が上がっていくように。
2番目は「寒さ」。基本的に電子機器は暑さ寒さに弱い。デジカメも一部の機種を除いて、だいたい動作を想定している温度帯は0〜40度程度であって、零下何度って環境は想定されてないのだ。
もうひとつはバッテリ。バッテリは寒くなると急激に性能が劣化する(もちが悪くなる)。だから寒い屋外で長時間撮るとき、予備バッテリは欠かせない。予備バッテリも冷えすぎないよう、上着の内ポケットにいれておく。特に零度以下の場所で長時間撮影するときは注意しよう。
今回はそこまで寒くなかった(ちなみにこの日の最高気温は1.2度。撮影してた時間帯はおおむね0〜1度くらいでした)ので特別な寒さ対策はしなくて済んだけど、スキー場や冬の山では注意すべし。
あまりに寒いときはカメラもできるだけむき出しで持ち歩かず、撮影時以外はバッグにいれておきたい。一応、タオル(ちょっとした雪なら撮影時にこれをカメラにかけるだけで十分だし、カメラに付いた雪をふくのにもいい)は必需品。レジ袋やビニール袋なんかもあると便利。
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