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新米パパに送る、新次元ビデオカメラ・キーワード(後編)(1/2 ページ)

» 2011年02月16日 11時30分 公開
[小寺信良,ITmedia]

 一般にビデオカメラは、下から手を差し込んで持つものという固定観念があるが、それだと胸の位置より下で撮ることが難しい。しかし小さい子の撮影では、子ども同じ目の高さで撮影するのが基本だ(→新米パパに送る、新次元ビデオカメラ・キーワード(前編))。

photo 一般的な持ち方では、ローアングルで撮影しづらい

 このときはこれまでのセオリーにこだわらず、手を上から差し込んで持つといい。RECボタンが押しにくくなるが、最近は画面のタッチで録画やズームができる機種がほとんどなので、それほど問題にならない。

photo 子ども撮りはこの持ち方で

 カメラを下げて撮影すると、これまで大人の目で見ていたものと全然違った世界を垣間見ることができる。子どもが何を見ているのか、どう見えているのかを、カメラを通じて体験することができるのだ。小さい頃にはきっとあなたも見ていたはずの風景を、追体験してみよう。こういうことができるのも、子どもがいる親ならではの特典である。

photo 子ども目線でビデオを撮れば、小さい頃の体験をもう一度できる。これは親ならではの特権

「画像処理エンジン」のキーワード

 イメージセンサーからの信号を画像に変換し、さまざまな解析や処理を行なうのが画像処理エンジン(プロセッサ)の役割だ。ここで顔認識したり、レンズのゆがみを補正したりする。各社とも画像処理エンジンにオリジナルの名前を付けて訴求しているが、だいたい同じプロセッサを3年程度使い、次世代に乗り換えていくようである。

 当然新開発のプロセッサほど性能が良く、より多くの機能を持っているが、採用されて3年目ともなるとかなり価格がこなれてくるため、お買い得感が出てくる。

顔認識

 撮影している画像から人物の顔を見分け、そこにフォーカスや露出を合わせる機能を、各社とも搭載している。顔が数人ある場合は、どれかを選ぶことで優先的に合わせ込んでいく機能は、ソニー製品が搭載している。

photo 子どもは予期しない動きをするので、認識機能は強い味方になる


 一方、この機能を一歩進めて、「写っているのは誰か」を見分ける、個体認識をする機能をパナソニックとビクター製品が搭載している。ただしここまでの機能は、幼稚園の学芸会など大人数の子どもをいっぺんに撮影するような機会にはまあ有効だが、奥さんと子どもを撮るぐらいであればほとんど使うチャンスはないので、それほど深く気にする必要はない。

 顔に限らず、画面上の被写体をタッチすることで、色や形からその物体を見分けてフォーカスなどを追従させる機能は、各社とも搭載している。動物の顔は顔認識には引っかからないので、ペットを撮影する際にはこの機能は重要だ。また後ろ向きでだっこされていて顔が見えない子どもを撮影する場合でも、洋服などを追尾させるとうまく撮影できる。

スマイルシャッター

 顔認識の延長線上の技術で、動画撮影中に笑顔を認識して、その瞬間を静止画に撮影するのが、「スマイルシャッター」だ。ソニーが最初に搭載したが、パナソニックでは「笑顔オートシャッター」、ビクターは「スマイルショット」という名前で搭載している。

 どちらかというと補助的な機能だが、思いがけないいいショットが静止画に残るので、使ってみるとなかなか楽しい。

オートモード

 子どもの撮影では、事前に準備などしている時間はなく、いつもぶっつけ本番である。そんなときに、いかにフルオートで上手く撮ってくれるかが問題となる。

 各社ともオートモードのチューニングには力を入れてきたが、最近はオールマイティなチューニングをするのではなく、自動的にシーンを見分けて最適なモードに変えてくれるというのが主流になっている。

 キヤノンの「こだわりオート」は、38のモードの中から最適なモードを選んでくれる。ソニーの「おまかせオート」、ビクターの「インテリジェントオート」は12モード、パナソニックの「おまかせiA」は5モードだ。

 これは単純にシーン数が多いほうがいいとも言い切れず、そもそもシーンの区分けも各メーカー独自の判断があり、同じではない。うまく撮影できるかどうかは、内部で画像分析したパラメータの数と判定精度で決まる。さらにモードの中でも露出やフォーカス、顔認識、手ブレなど複数の補正ポイントが入り込んでくる。実は一番撮影していて面白いのが、オートモードの動きだ。店頭でビデオカメラを選ぶ場合もあちこちカメラを向けてみて、どのようにモードが変わるかをテストしてみるといいだろう。

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