搭載する撮像素子は有効画素数1210万画素の1/2.3型裏面照射型CMOSセンサーで、画像処理エンジン「EXPEED C2」を組み合わせる。同社のうたう「夜撮りキレイテクノロジー」は高感度低ノイズ、手ブレ補正、モーション検知、フラッシュ制御の4要素から構成されているのだが、まずはISO感度とノイズの関係について以下をみて欲しい。
左からモードダイヤル「オート」のISO800、3200。高速連写と重ね合わせを行うモードダイヤル「夜景」の「手持ち撮影」だ。モードダイヤル「オート」時ではISO感度は800が上限なので、それ以上はメニューから設定してやる必要がある。夜景モードではISO感度調整は行えず上の作例ではではISO560となった。
さすがにオートのISO3200はノイズ量も多くディテールも甘いが、オートのISO800でもL2サイズのプリント程度ならば実用的といえる範囲にとどまっている。オートでは周囲が暗いと可能な限り明るく撮影しようと振る舞うため、状況によっては明るすぎる写真となることもある。「夜景」としての写真を撮りたいならば夜景モードの利用をすすめたい。
なお、モードダイヤルの「夜景ポートレート」は背景となる夜景を高速連写して重ね合わせノイズを低減、なおかつ、手前の人物をストロボ撮影、これらを重ね合わせることで背景も人物も明るい写真を映し出す。ポートレートと銘打っているが、手前の被写体は人物でなくとも機能する。
連写機能の充実も特筆に値する部分だろう。約9.5コマ/秒の「連写H」、約1.8コマ/秒で約24コマ連写する「連写L」、半押しで撮影を2枚の先取りを開始し全押しで約7.5/秒の連写を開始する「先取り連写」、約1/125秒以上のシャッタースピードで50コマ連写する「120高速連写」、約1/60秒以上のシャッタースピードで25コマ連写する「60高速連写」、ブレやすい状況で5コマの連写を行いカメラが最も鮮明な1枚を自動的に選択してくれる「BSS」(ベストショットセレクター)、約30コマ/秒で撮影した16枚の写真を1つの画像にまとめる「マルチ連写」と豊富。フル画素での記録が行えないモードもあるが(120高速連写と60高速連写、マルチ連写)運動会など高倍率と連写の双方が必要となる状況では大きな助けになるだろう。
動画は1920×1080ピクセルのフルハイビジョン動画を撮影可能。静止画の撮影モードにかかわらず背面の録画ボタンを押すだけで、動画撮影が開始される。ファイル形式は.MOV(映像:H.264/MPEG-4 AVC、音声:AACステレオ)で、動画撮影中も光学ズームが利用できる。動画をゆっくり再生する「スローモーション動画」や、はや回しでコミカルに再生する「早送り動画」など特殊な動画も撮影できる。動画撮影中の静止画記録も可能で、動画撮影中にシャッターボタンを全押しすると、撮影中の動画と同一サイズの静止画を記録できる。
動画撮影中にはAFも利用できるが、デフォルト設定の「シングルAF」では録画開始時の状態でAFが固定されてしまう(録画開始前にメニューからAFモードを「常時AF」にすればAFが機能する)。せっかく背面ボタン一発で録画を開始できるのだから、録画開始と同時にAFモードが常時AFになってくれた方が親切かと思う。また、望遠端で撮影すると気をつけていてもかなり手ブレを感じる映像となる。基本的には近距離スナップ撮影時のオプションとしてとらえておいた方が良さそうである。
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