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「あの写真」を捜す苦痛から解放されるための方法デジカメ画像を死蔵させない管理と保存(2/2 ページ)

» 2011年09月09日 08時30分 公開
[ITmedia]
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プロの使用にも耐える画像管理ソフト

 OS標準の機能にソフトウェアを追加することで、さらに快適に画像管理ができるようになる。画像の点数が多くなり、特に毎日のように撮影し、手動での管理が面倒になってきた人には、画像管理用のソフトウェアを試して欲しい。

 OS付属のソフト以外で一番簡単に利用できるのは、カメラに添付されてきたカメラメーカー製の画像管理ソフトだ。例えばキヤノンには「ZoomBrowser EX」、ニコンには「VidwNX 2」など、各社が画像の管理・編集ができるソフトウェアを無償で同梱している。これを使えば、一般的な画像管理に必要な機能はだいたいカバーできる。

photophoto キヤノンのZoomBrowser EX。画像に設定したレーティングや撮影日、コメントなどから検索できる。キヤノンの画像共有サービス「CANON iMAGE GATEWAY」に直接画像のアップロードも可能

 こうしたカメラ同梱のソフトウェアでは画像の取り込み、自動フォルダ分け、キーワードからの検索など、さまざまな機能を備えるとともに、画像編集機能も搭載している。これ1本でたいていの画像管理には対応できる。何より、メーカー製のソフトウェアということで、メーカー独自の機能のカメラ機能を利用できるメリットもある。

 もう1つは、インターネット上で公開されている画像管理ソフトを利用するのも方法だ。著名なところでは、グーグルが提供している「Picasa」がある。WindowsとMacに対応しており、管理、編集などが行える。

photophoto Picasaでは、画像の保存、管理、検索が可能で、顔写真が写っている画像だけ、動画だけといった検索が1クリックでできるほか、テキストでの自由な検索も可能。さらにGoogleのWebサービス「Picasa Webアルバム」と連携し、画像のアップロードや共有といった機能も利用できる。

 こうした画像管理ソフトウェアでは、実質的には画像をフォルダで管理しているが、フォルダを意識せず、フォルダをまたがって画像を一覧で管理できるといったものも多い。フォルダにとらわれずに画像が管理できることに加え、画像のEXIFデータの撮影日をベースに、その日の画像だけを抽出したり、同じカメラで撮影した画像、同じシャッタースピードの画像、同じタグをつけた画像……といった具合に、画像の検索性が特に重視されているのもポイントだ。

 特にプロフェッショナルからセミプロまでをターゲットにしたアドビシステムズの「Photoshop Lightroom」、アップルの「Aperture」などは、プロが何万枚もの画像を快適に管理し、高度な補正作業が行えるように開発された画像管理ソフトだ。ApertureはMac用のみ、LightroomはWindows/Mac両方に対応している。

 例えばLightroomでは、画像の取り込み時に画像の撮影日から自動的にフォルダを生成し、そのフォルダに保存する。画像はフォルダに関係なく、すべて1画面上に表示される。それだけでなく、画像に1クリックで星をつけたり、カラーマークをつけたりして、画像を分類できる。さらにキーワードをあらかじめ設定しておけば、これも1クリックで画像に適用できる。

photophoto Lightroomでは、1クリックでタグ付けやカラーマークなどの分類が可能。検索も簡単に行える

 このようにさまざまなデータを登録することでどれだけ画像点数が多くなっても、検索性が落ちないのは大きな特徴だ。具体的には撮影した画像からベストショットや残したい画像などをカラーマークで分類し、画像の出来によってスターの数で評価をし、人に手渡すかどうかを採用・不採用マークで区別する、といった形で、さまざまな観点から画像を分類できる。

 これに加え、設定したキーワードは蓄積され、1クリックで画像に設定したり、キーワードが設定された画像を抽出できるので、例えば写っている人物や撮影場所などでの分類ができる。また、画像に記録されるEXIFデータをもとに、日付やシャッタースピード、絞り、ISO感度などの撮影データでも検索が可能だし、もちろんテキストベースの検索も可能となっている。

 Lightroomを使うと、画像を拡大縮小してピントをチェックする、連写画像を左右に並べてよりいい画像をセレクトするなど、単なる画像の表示だけでなく、チェックやセレクト作業といった、大量画の画像から必要な画像をピックアップする用途にも向いている。

 最近では、大量の画像を撮影し、それをブログ、TwitterやFacebookなどのSNSに投稿したり、画像共有サイトにアップロードしたり、まとめてフォトビューワー用に出力したり、個人でもたくさんの画像をピックアップして補正して、出力したいという要望は多いだろう。こうした場合に、Lightroomのようなソフトは大きく役立つ。ここまではLightroomについて言及してきたが、Apertureも画像管理に関する機能には同等と言っていい。

 基本的に、携帯やスマートフォンで画像を数枚撮影し、それをPCに取り込んで管理する程度であれば自分でフォルダを作成してもいい。1回の撮影が十数枚だったり、月に1〜2回程度の撮影であれば、OS標準の機能を使ってもいいだろう。週に何度も撮影したり、1回の撮影に100枚以上を撮影したりといったヘビーな使い方であれば、別途画像管理ソフトを用意した方が使い勝手ははるかに向上する。

 デジカメには標準で画像管理ソフトが付属するので、まずはこれを使ってみるといい。Windows LiveフォトギャラリーやiPhoto、Picasaのような無料ソフトも試してみるといいだろう。より高度な管理や編集をしたいならば、LightroomやApertureのようなソフトの導入を検討してみるといいだろう。

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