多くのファンを持つ、リコー「GR DIGITAL」シリーズの第4弾にして最新作が「GR DIGITAL IV」だ。初代「GR DIGIAL」が2005年、2代目「GR GITITAL II」が2007年、3代目「GR DIGITAL III」が2009年発売となっており、2年ごとのアップデートが行われる格好となった。
その新「GR」となる「GR DIGITAL IV」は、外部AFセンサーとコントラストAFを組み合わせたハイブリッドAFシステムと、イメージセンサーシフト方式ブレ補正を搭載し、その手ブレ補正効果はシャッタースピード換算で最大約3.2段となる。しかし、これらの技術は決して目新しいものではない。ましてや、外部AFセンサーに関しては初代GR DIGITALに搭載されていた機能でもある。
とは言え、カメラとユーザー、双方の方向性を見極めながら、一歩一歩着実な進化をしているのがGR DIGITALシリーズらしいとも言える。
GR DIGITAL IVの外観は、細かい部分を見比べない限りわからないほど、前機種「GR DIGITAL III」と似ている。新たに手の加えられた部分は、使い勝手の向上のための微調整とも言うべき変更となっている。
大きな違いと言えば、従来機ではAF補助光発光部の位置に外部AFセンサーが新設され、AF補助光の発光部はレンズ寄りの位置へと変更となったことだろう。グリップの形状も若干ながら変更されており、指先のスペースが確保されたと言うべきなのか、握りやすさに改良が加えられている。
背面液晶のサイズは3.0型で額縁を含めた大きなデザインの変更はないが、液晶モニター自体が前機種は約92万画素だったのに対して、解像度はそのままにホワイトの画素を加えた約123万画素の新型に変更されている。ホワイトの画素を加えることで、画面全体の明るさを向上させると共に、消費電力を削減させる効果があるという。
さらに液晶モニターの右の丸い方向キーが1枚の円盤状のものとなった。GR DIGITAL IIIの方向キーは、ボタンの隆起している部分を指の腹で押す印象だったが、GR DIGITAL IVの方向キーは、ボタン自体が大きくなったと同時に、円盤状のボタンのエッジが膨らんでいることもあり指先で押せるようになった。そのほか、背面のラバーの形状も変更となり、右手親指がラバーのある部分に収まるように考慮されている。
細かい所では、映像出力端子にも変更が加えられた。従来機の側面の入出力端子はUSB兼AV端子だったが、GR DIGITAL IVはUSB兼AV端子はそのままに新たにマイクロHDMI(Dタイプ)端子が追加されている。これにより、HDMIでテレビに接続することで、きれいな画像をリビングの大画面テレビでも楽しめる。
同時に発売される数量限定のホワイトエディションは、ブラックのようなザラザラした梨地仕上げではなく、光沢のある塗装による美しい仕上げとなっている。そのほかの違いとしては、グリップの色がグレーとなっている点と、レンズ周りのリングキャップを外すとバヨネット部分がシルバーとなっている点、そして電源オフ時の終了画面に表れるホワイトエディション専用画面などが挙げられる。
ホワイトエディションにはメタルレンズキャップ「GL-1」と本革製ハンドストラップ「GS-2」のホワイトが付属する。メタルレンズキャップは、リングキャップを外してバヨネット部分に固定して使うのだが、レンズキャップを装着するとメタルレンズキャップの電子接点と本体の電子接点が接続され、メタルレンズキャップを外さない限り、電源がオンにならない仕組みとなっている。このレンズキャップ自体はブラックも用意されているので、鞄の中なので不意に電源が入らないようにするための必需品とも言えるだろう。
ホワイトエディションの販売価格はブラックよりも若干高めの設定となるが、付属品やホワイトボディを生かしたケースとのコーディネートを楽しむことができるのでその価値は十分あると感じた。
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