ボディはGF1の遺伝子を受け継ぐ、四角くてオーソドックスなコンパクトカメラスタイル。派手じゃないけど、コンパクトハイエンドの名にふさわしい質感だ。
背面にはプッシュで機能を切り替えられる便利な電子ダイヤルがあるし、GF2でなくなった撮影モードダイヤルも復活した。アクセサリーシューの下にはEVF用の端子がありEVFの接続も可能だ。
まさに世代を経るにつれ小型軽量化と親しみやすさを優先して変わってしまったGFシリーズの代わりに登場したと思っていい。機能を割り当てられるFnボタンも2つある。
もちろん、液晶モニタはタッチパネルであり、タッチパネルのUIも見直された。画面右に小さなタブが用意され、そこを開くとタッチシャッターのオンオフやタッチパネルを使ったズーミング(もちろん電動ズームレンズを装着してるときのみ現れる)といった今までは常時表示されていたボタンが出てくるほか、2つのカスタマイズ可能なFnボタンが現れるのだ。
物理的ボタン2個に画面上のボタン2個の計4つを自由に使えるわけで、これだけあれば、Q.MENUを呼び出さなくても普段の撮影はまかなえそうである。カスタマイズの幅が広がったのは素晴らしい。さらにQ.MENUもGF3やG3と同じく表示する機能がカスタマイズできる。これらの組み合わせで総合的な使い勝手はかなりいい。
もうひとつとっても重要な機能が追加された。電子水準器である。左右及び前後のチルトも観てくれるので、前後左右水平な写真を簡単に撮れる(この機能があると正確なスイングパノラマを撮れて良いのだが、パノラマ機能自体がないのであった。残念)。
さらに重要なのは、水準器のセンサーを使って、写真の縦横がちゃんと記録されるようになったことである。もはや縦横自動記録はもはやデジカメでは当たり前なのだが、Gシリーズは写真の縦横検出に「レンズの手ブレ補正用センサー」を使ってたため、手ブレ補正機構のないレンズ(たとえば、オリンパスのレンズや14〜25mmの単焦点レンズ)だと縦横の検出ができなかったのである。それがやっと搭載されたのだ。いやはや待たされました。
というわけで、GX1は既存製品に比べて一世代進化した内容になった(たぶん、これが今後登場する製品の基準になるだろう)。撮影機能的には従来と変わっておらず、流行のデジタルフィルタや連写系機能は弱いままだが、基本性能が進化したのは素直にうれしい。
タッチパネルとボタンの使い分けも整理され、AFポイントの指定や撮影時にすぐ使いたい機能はさっとタッチパネルで、じっくり設定したいものはボタンやダイヤルで、とうまく分けられたのだ。何でもかんでもタッチパネル、じゃないのがよい。
で、使ってて思ったのだけど、来年か再来年のGXやGFは本体にズームレバーがつくんじゃないかという気がする。このPZ 14-42mmレンズをつけて使ってると、あまりにコンパクトカメラっぽくてつい本体のズームレバーを指が探しちゃうくらいだから。非電動ズーム機でも再生時の拡大縮小とかに使えばいいし。そうすればもっと気軽に使える。
もうひとつ、GX1がハイエンド志向でなおかつコンパクトなマイクロ一眼を目指すのなら、EVF内蔵の上位モデルも出して欲しい。いっそのこと、内蔵ストロボの代わりにポップアップ式EVFを搭載するとかしてもらえると楽しいけど……スペース的に難しいか。まあ実現できたら面白いんじゃあるまいか。
ともあれ、サイズも使い勝手もクオリティもなかなか高いレベル。オーソドックススタイルのコンパクト系ミラーレス機が欲しい人や、スナップメインのハイクオリティなカメラが欲しい人は、第一候補に挙げていい完成度だ。
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