パナソニックのマイクロフォーサーズ機で最もコンパクトなのがGFシリーズだが、GF1→GF2とどんどん丸くなり、GF3にいたっては丸っこくてかわいくなるわ、EVFは装着できなくなるわ、電子ダイヤルがコンデジのようなロータリーダイヤルになるわでずいぶんと可愛くなってしまった。ああ、GF1のあの四角いボディはどこへいったとお嘆きの方も多かろう。
だがしかし、その裏で着々と準備されてる新シリーズがあったのだ。DMC-GX1(以下 GX1)である。見た目は明らかにGF1系で、むしろこれをGF3という名にし、今のGF3は別シリーズにした方が良かったんじゃないかと思えるくらいである。
立場的には、GX1はGF3の上位に位置づけられる。ちまたでは女性向けにGF3、男性向けにGX1なんていわれてもいて、GF3とは違い、撮影モードダイヤルも電子ダイヤルもアクセサリシューもしっかり用意されている。
変わったのは見た目のみならず、中身もけっこう進化してた。新世代のはじまりを予感させるのだ。
電動ズームを搭載した新レンズには「Xシリーズ」という名がついており、GX1のネーミングもまたそれを意識したものだろう。レンズキットにもその電動ズームレンズがついてくるので、まずはそこから。
レンズ名は「LUMIX G X VARIO PZ 14-42mm/F3.5-5.6 ASPH./Power O.I.S.」……あまりに長すぎるので、以降は単純に「PZ 14-42mm」と書く。PZはパワーズームの略だろう。このレンズは従来の14-42mm(「LUMIX G VARIO 14-42mm/F3.5-F5.6 ASPH./MEGA O.I.S.」)のワンランク上と位置づけられていて、LEICAブランドの25mmF1.4(「LEICA DG SUMMILUX 25mm F1.4 ASPH.」)と同じナノサーフェイスコーティングでゴーストを抑えている。
PZ 14-42mmで驚いたのは薄いこと。沈胴時のサイズは単焦点の20mmF1.7とあまり変わらない。このコンパクトさはすごい。電動式ズームレンズというと、どうしても大ぶりでずんぐりしたものを想像しちゃうから。
本体の電源を入れるとレンズがうにーっと出てくる。電源をオフにすると引っ込む(当たり前だけど、電源をオンにしたままレンズを外しちゃうとそのままなので注意)。ズームレバーはレンズにあり、左手で操作する位置にある。ズーミングの速度は変更可能だ。
よくぞこの大きさにしたなあと思う。コンパクトさを求めてこのレンズを買うのもアリかも。もちろんPZ 14-42mmは既存のマイクロフォーサーズ準拠モデルでも利用可能で、カメラ本体をファームアップすることで、電動ズームレンズ用のメニューが追加される。
続いてカメラ本体。
撮像素子は有効1600万画素の4/3型 Live MOSセンサー。先にこの画素数を達成したG3と同じものかと思われるが、G3が最高ISO6400だったのに対し、GX1はISO12800までISO感度を上げられる。
ちょいとG3と比べてみる。
こうしてみると、等倍で観ても極端な差はなく、GX1の方が若干いい程度。画像処理エンジンの高性能化によるものだろう。さすがにISO12800では無理があるが、ISO3200あたりの画質はかなり滑らかになってる。ちなみに可能なISO感度はISO160から12800。ISO100スタートにして欲しかった。
動画はフルHD対応だが、AVCHDだと1080/60i、MP4だと1080/30pで撮れる。GF3やG3はフルHDはAVCHDのみで、それ以外はモーションJPEG(720pが最大)という状況だったので、ワンランク進化している。
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