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初期設定いらずの無線LAN内蔵SDカード 「Eye-Fi Mobile X2 4GB for ドコモ」を試す(2/2 ページ)

» 2012年04月20日 10時18分 公開
[小山安博,ITmedia]
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手軽にデジカメ画像をスマートフォンで活用できる

 実際の利用時、カメラ側の設定は特にない。設定したEye-Fiカードをカメラに挿入し、カメラ側に設定項目があればEye-Fiの利用をオンにすればいい。あとは通常通り撮影を行う。スピードクラスはClass 6なので、一般的には動画撮影も可能な書き込み速度は確保できている。容量は4Gバイトとやや少なめだが、一般的なユーザーであれば1日で使い切ることはそうないだろう。

photo カメラのEye-Fi設定。画面はオリンパス「OM-D E-M5」のもの

 撮影を行い、画像がカードに保存されると、自動的にEye-Fiカードの無線LANが動作し、ダイレクトモードになり、カード自体が無線LAN APとなる。Eye-FiアプリをインストールしたAndroid端末では、周囲にEye-FiカードのAPが検出されると、自動的に無線LANで接続しようとして、それが成功すると、撮影した画像がスマートフォンに自動で転送される。

photophotophoto カメラからスマートフォンへ画像が転送されているところ。転送が終了すると、サムネイル表示になる。このままタッチすると全画面表示も可能。その後、自動的にインターネットに転送される

 スマートフォン側でEye-Fiアプリを表示しておく必要はないため、バックグラウンドで動作させておけばよく、ほかの無線LAN APに接続中の場合でも、自動的にEye-FiカードのAPに接続してくれ、画像を転送したあとは再び自動で元の無線LAN APに接続し直してくれる。つまり、一度Eye-Fiアプリを起動したあとは、自宅の無線LAN APやポータブル無線LANルーターに接続していている場合でも、ユーザーが作業しなくても自動でダイレクトモードによる転送が可能になる。

photophotophoto Eye-Fiアプリの設定。画像共有サイトの設定もできる。アプリの設定では「自動接続」を選択しておく必要がある

 自宅無線LAN APに接続中の「GALAXY Note SC-05D」+「OM-D E-M5」で試したところ、撮影後7〜8秒でダイレクトモードが起動し、30〜40秒後には自宅無線LANからEye-Fi APに自動で接続が変更され、転送が始まった。1605万画素のOM-Dの画像だが、転送自体は10秒程度で終了した。実際に動作すると、手軽で便利。無線LANを使って画像を転送するため、カメラとスマートフォン双方のバッテリーを消費するが、大量の画像を延々と転送するのでなければ許容できるレベルだろう。

 パソコンがあるなら、Eye-Fi Centerを使ってより詳細な設定ができる。スマートフォンでの設定を最初に行ったあと、Eye-Fi Centerを初めて起動すると、画像をそのPCに転送するかどうかの選択画面が表示される。カメラからスマートフォンにダイレクトモードで転送された画像は、インターネット経由でEye-Fi Viewにアップロードされ、それがさらにPCにダウンロードされる、という仕組みだ。

 例えばダイレクトモードは撮影の度に起動するが、起動している時間を変更可能で、周囲に接続できる無線LANがなければ、その時間経過後に終了する。スマホとの接続では、30秒は短いので、1分ぐらいにしておくと良さそうである。

 ダイレクトモードを使わず、公衆無線LANスポットやポータブル無線LANルーターを使って、インターネット経由でPCなどに転送したい場合には、それらのSSIDや暗号化キーを登録しなければならず、これもEye-Fi Centerから行う。ほかにも、カードの容量が一定以下になると古い画像から順次削除していく「エンドレスモード」の設定もできる。

photophoto Eye-Fi Centerの設定画面。ダイレクトモードやエンドレスモードなどの設定ができる

 スマートフォンに画像が転送されれば、その後の処理は自由自在。TwitterやFacebookにそのまま投稿してもいいし、Instagramなどの画像投稿アプリから投稿してもいい。さまざまな画像補正用アプリもあるので、素早く画像を補正することもできる。

 スマートフォンカメラの性能向上が著しい昨今ではあるが、デジタル一眼レフや超高倍率デジカメなど、スマートフォンのカメラでは撮影できないシーンでの撮影や、より美しい画質での撮影をしつつ、それをスマートフォンで投稿できる、というのは魅力。周囲に無線LAN APがない場合でも、ダイレクトモードでスマートフォンに転送すれば、スマートフォンの携帯通信機能を使って、画像を改めてパソコンに自動転送することもできる。最近は、WiMAXやLTEのような高速通信に対応したスマートフォンもあるので、転送も十分高速で、実用的な使い方ができるようになっている。

 Eye-Fi Mobile X2 4GB for ドコモは、こうしたEye-Fiの便利な機能を、スマートフォンだけで手軽に使えるように工夫した製品だ。PCを持っていなくても十分便利に使えるし、買ってすぐにPCがない状態でも利用開始できる。スマートフォンのカメラには満足できないが、スマートフォンで画像を活用したいユーザーにおすすめだ。

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