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第151回 動物園とシャッターチャンスの関係今日から始めるデジカメ撮影術(2/3 ページ)

» 2012年04月25日 19時26分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

超望遠で猿を撮る

 井の頭自然文化園で楽しいのは猿である。360度好きな方向から見下ろせる猿山があって、これがまた、飽きないのだ。飽きずに遊び回ってる小猿から、貫禄でのしのしと歩くボス猿まで、動きにバリエーションがあってよいのである。

 ちなみに全景はこんな感じ。

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 で、360度ぐるっと見られるので、周りを歩きながら陽射しの向きや背景とのバランス、猿が楽しそうにいる場所なんかを探すのだ。

 用意するのはさすがに望遠レンズ。今回は200〜600ミリ相当の望遠レンズを用意したのでいろいろと撮れた。青空をバックにすると、基本的に逆光気味になるけど、印象的な写真になる。てっぺんで木をかじっているだけなのに、こんな感じ。

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 日差しの当たっている緑をバックに撮ると、爽やかでいい感じになる。

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 順光でほどよく陽射しがあると、目元や表情がきれいに撮れる。こちらを向く瞬間をじっと待ってたら、「見ないでよ」って感じでぎろっとにらまれた。いや、にらんでいる訳じゃないんだろうけど。

photo にらんで……る?

 猿のようにちょこまかと動き回る動物を撮るときは、ピントとシャッタースピードに注意。特にシャッタースピードは、できれば、1/1000秒以上を確保したい。曇ってたり日陰だったりするとISO感度を上げなきゃいけなくなるけど、そういうときはためらわずに上げる。「ISOオート」「シャッタースピード優先」にしちゃうのがお勧め。

photo シャッタースピードが遅いとこんなことになります

 ポーズが面白かったので慌ててカメラを向けてシャッターを切ったので、背景もちょっとブレてるけど、これ、1/250秒。ブレブレです。気を取り直して1/1000秒で。

photo 猿山登山

 妙にこの棒が気に入ってたようで、しまいにはこれを持って岩場を歩き始めたのだ。杖をついて山を登っているようである。

photo このまま道具の使い方をマスターしちゃいそうなポーズ

 望遠だとピントの合う範囲が狭くなるのでAFも大事。こういうところだと慎重に合わせないと背景に抜けちゃいやすいのだ。特にコンデジやミラーレス一眼はそう。あ、いいタイミングで撮れた、と思ってもピントが合ってないと哀しいのである。

photo 後ろにピントが抜けている

 で、シャッタースピードとAFに注意しつつ、連写で撮る。高速連写で撮る。動いてるところを撮りたいときは特にそう。こんな風に連写しておけば細かい動きがわかって楽しいし。

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 猿が止まってても連写しておく。なぜなら、連写したことで、微妙にいい表情が撮れたりするからだ。

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 後ろの猿がいい顔をしてるでしょう。連写した中の1枚。「へー、おめー、からだやわけーなー」と言ってます(ウソです)。実は手前の猿を狙っていたので、後ろの猿は微妙にピントのヤマがズレているけど、それはそれということで。

 で、その辺に注意しつつ、じーーーーーーーっとタイミングを待って、やっと撮れたのがこれ。

 いやあこういう瞬間を狙ってたのだけど、猿って動きが素早い上に突然ジャンプするのでタイミングがめちゃ難しいのだ。

 特にミラーレス一眼は、液晶モニタやEVFを通して見ている関係で、どうしても実際の動きの間にタイムラグがでちゃうから、「あっ」と思ってからシャッターを押しては遅いのだ。「あっ」と思った瞬間にはもうシャッターを押してないとダメ。その成果であります。

photo 飛んだ!

 ロープに向かってジャンプした瞬間のコザル。口に葉っぱをくわえている理由は謎だけど、おかげで面白い写真になったのでした。シャッタースピードは1/1000秒。

 いやあ、猿は面白い。

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