ではレンズをマクロレンズにつけかえて虫を撮ってみる。
小さいものを大きく撮るときのポイントはレンズの「最大撮影倍率」。で、マクロレンズといわれるレンズはこの数値が「等倍」であることが普通。デジタルで「等倍」といわれてもピンとこないだろうけど、もともとはフィルム時代の概念だから。35ミリフィルムって36×24ミリのサイズ。等倍のマクロレンズというのは、36×24ミリの大きさのものをいっぱいに撮れるという意味。そうすると、1ミリのものがフィルム上で1ミリのサイズで写るから等倍。
デジタルでもその考えを継承しているのだけど、等倍で撮ったものを24インチとか27インチのモニタいっぱいに映すとかなりの迫力なのだ。
で、望遠系のマクロレンズは、同じ等倍でも、望遠なので「ワーキングディスタンス」(レンズ先端と被写体との距離)を広く撮れるので虫向き。今回はAPS-Cサイズのセンサーを搭載したカメラに105ミリマクロのレンズをつけてみた(157.5ミリ相当の望遠になる)。
なにしろマクロ撮影のおそろしさは被写界深度の浅さにあるのだ。絞り開放だと被写界深度は1ミリあるかないかというレベル。ほんの少し手が動いただけで、ほんのすこし風が吹いただけでアウト。
ひまわりにカマキリがいたのが可愛くて撮ってみたのである。
こっちを向いたので寄ってみたのだが、F4.5だともうピントがズレまくるのだ。被写界深度が浅すぎるのである。
さらにちょっと風が吹いただけでこれである。
F8まで絞るとかなりましになる。
F16まで絞るとシャッタースピードは遅くなるが(あるいはISO感度を上げないときつかったりするが)、もうちょっとしっかり顔が撮れる。
というわけで、バレてにらまれた瞬間はこれ。
つまり本気で虫を撮るなら、きちんと三脚を用意し、じっと動かずに待ち、虫がこちらを警戒して逃げないことを確認して、風が止まった瞬間にしっかり撮るべし。まあ、普通に虫写真を趣味としている人は、ちゃんと三脚を用意して狙っております。
次はバッタさん。
しっかり撮るなら多少ISO感度を上げてでも、絞り込んでってことで。それにしても食欲旺盛でした。
食事に夢中でなかなか逃げなかったので正面から撮ったり、逆光で透明感を出してみたりと、いろいろ遊んでみました。
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