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第158回 紅葉と彩りとピントの関係今日から始めるデジカメ撮影術(2/3 ページ)

» 2012年11月08日 16時00分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

紅葉のグラデーションを楽しむ

 紅葉の楽しさって、その彩りの豊富さにあると思うのだ。真っ赤になってるより、赤と黄色と緑といろんな色がほどよく混じってる感じがいい。普段は緑の世界に、赤や黄色がまじってくる。

 例えばこんな感じ。

photo 真っ赤
photo 赤くなりかけ

 さら言えば、背景がちょっと暗い方が赤はきれいに出る。ただ、背景を暗めにすると紅葉が露出オーバーになりがちで、そうなると赤がきれいにでなくなるので、マイナスの補正をかけて。この写真は-1の補正をかけ、彩度をギンギンに上げてる。

 1本の木にフォーカスするとき、背景をどうするかはとても大事なのだ。

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 そんなことを考えつつ、再び山の写真。紅葉の時期はもうこんな感じである。

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 よく紅葉してる木があると、カメラを抱えた人たちがわっと寄ってくるのだ。これはもうしょうがない。自分たちもそのひとりなわけで。そんなときは、紅葉の構図を決めて、チャンスを待つ。

 右に真っ赤な紅葉、左にオレンジや黄色、背景に緑。これで晴れてるとよかったのだけど天候ばかりはしょうがない。カップルがいい感じで立ち止まってくれたのでその隙に。

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 同じ場所で撮った写真で同じように人が写っていても、雰囲気はガラっと変わる。それが面白い。どこかにいい感じの紅葉はないかと歩き回っていると、山の中にぽつんと1本だけモミジを発見。これがいい感じ。

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 でもこれだと斜面にぽつんと1本って感じがあまり伝わらない。そこでわざと広角&ローアングルで撮り直し。

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 山の中にぽつんとモミジって感じが出た。モミジが日陰にいたおかげで赤を濃く出せたのもよし。さらに山に入ると、上は赤く下はまだ緑のもみじを発見。

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 でもこれだとちょっと紅葉ぽさが弱い。そういうときは望遠レンズの出番。きれいなグラデーションを作ってる箇所を探して、遠目からぐいと寄るのだ。

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 紅葉したモミジとしてないモミジと、しかけてるモミジがきれいに重なってるのがポイント。逆に遠くから引いてみるのもいい。少しだけマイナスの補正をかけ、派手目に仕上げてる。

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 ケーブルカーの線路を見下ろしたシーンだが、山肌が緑黄橙赤といろいろな色がない交ぜになっている。紅葉の季節の面白さは、真っ赤にそまったモミジのみならず、そのあたりにもある気がする。

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